楽しい語り口とともに、人形たちが舞台を駆け回り、時にジャンプで会場を盛り上げる。七色に光るシャボン玉が吹き出す演出も効果的。子どもたちは身を乗り出し、壇上にくぎ付けとなった
▼人形劇団「かじまやぁ」が今年で創立40周年を迎えた。先月、名護市羽地の地区センターであった記念公演には子どもからお年寄りまで駆け付け、足の踏み場もないほどだった
▼劇団の旗揚げは1974年。代表の桑江純子さんは、台湾伝統人形劇の師匠の下で修行を重ねて、日本唯一の免許皆伝を受けた。それ以来、小さな“相棒”たちと県内を回り多くの人を笑顔にしている
▼沖縄と中国文化を融合した「チャンプルー孫悟空」や、キジムナーが登場する物語など、作品は郷土色豊か。せりふも含め全てウチナーグチで語られるのも特徴で、とてもいい勉強になった
▼「意味が分からなくても、隣のお年寄りが笑えば、子どもも一緒に笑い出す。それでいいんですよ」と桑江さん。楽しい語りと表情豊かな人形の動きを見れば、何となく伝わってくるから不思議だ
▼孤軍奮闘してきた桑江さんは、62歳。あふれるパワーに脱帽しきりだが、人形を操る技術をどう残していくかが悩みの種、と明かす。ウチナーグチを楽しく学ぶ、いい教材にもなる人形劇。求む、後継者。(儀間多美子)