千葉県野田市の小学4年栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡した事件で、心愛さん一家が2017年8月まで沖縄県糸満市内に住んでいたことが28日、分かった。同年7月には、父親で自称会社員の男(41)=傷害容疑で逮捕=から沖縄県中央児童相談所に対し「娘を祖父母が引き取ったが、返してくれない」という内容の相談があったことも判明した。一方、心愛さんを知る地域関係者は「こつこつと勉強を頑張る明るい子だった」と振り返り、幼い死を悼んでいる。

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「頑張り屋さん」悼む声

 糸満市によると記録上、一家は2009年に同市に転入し、17年8月まで住んでいた。転出時、心愛さんは両親と生まれた直後の妹の4人家族だった。複数の関係者によると、市内に母親の実家があり、近くの小学校に1年から3年の1学期末まで通っていた。

 県青少年・子ども家庭課によると、容疑者から児相に直接電話があったのは17年7月7日。「祖父母が娘を返してくれない」との内容で、児相の担当者は「児相が支援できるか検討したいので来所してほしい」と求めた。容疑者は結局、来所しなかった。 

 さらに1週間後の同月14日には糸満市から児相に対し、容疑者から妻への暴力が疑われる事案として、対応への助言を求める電話があった。児相は市の担当者に対し「情報が少なく判断が難しい。糸満市で支援体制を整えてほしい」と回答した。

 県が「児相との継続的な関わりはないケース」と説明する一方、糸満市は一家を巡る関係者の情報を整理中としている。

 心愛さんが在籍していた糸満市の小学校の校長は「積極的に授業に参加し、一生懸命頑張っていた。担任にも聞き取りをしたが、あざなど虐待の兆候は見られなかった」と話す。

 17年7月、母親が心愛さんの妹を出産する前後に、学校まで心愛さんを迎えに来た容疑者に会った。「本土出身で話し上手で、気さくな人に見えた。報道を見て信じられなかった」と振り返る。担任は親から市内の別の学校に転校すると聞いていたが、同年9月に千葉へ転校したとの知らせが学校に届いたという。

 心愛さんは16~17年、地元の公共施設での無料塾に週2回、通っていた。講師は「こつこつと勉強を頑張る明るい子。3年生になってから『県外の学校に行く』と寂しそうに話していたのを覚えている。事件を知って驚いている」と話した。