「宮古島のパーントゥ」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に昨年登録された宮古島市上野野原(のばる)の伝統祭祀「サティパロウ(里祓(はら)い)」が28日、集落内で行われた。木製の仮面を顔に当てて来訪神「パーントゥ」に扮(ふん)した男児を先頭に、女性たちが「ホーイホーイ」と声を上げながら練り歩き、厄を払った。

 集落内に子育て世帯がほとんどいないため、近隣集落の子どもにパーントゥ役をお願いしている。今年はユネスコ登録の効果もあって多くの子どもたちが参加し、活気があふれた。

 昨年に続きパーントゥとなった上野小2年の根間愛斗(あいと)さん(8)は「おばあたちと歩いて楽しかった」とはにかんだ。長年祭祀に関わる仲里千代子さん(65)は「ユネスコ登録で関心が広がっている。うまく継承していければ」と期待した。

 野原地区と島尻地区のパーントゥは昨年11月、遺産登録された。