離婚や別居などで子どもと離れて暮らす親が、子どもと定期的に会うことを求めて家庭裁判所に申し立てる面会交流の調停件数が県内で増えている。那覇家裁によると、2008年に78件だったのが、10年後の17年は約3・2倍の258件となり、過去最多となった。同家裁の担当者は、父親の育児意識の高まりなどから今後も増える可能性を指摘。「県内には面会交流を支援する第三者機関がなく、調停後の面会がスムーズにいかない場合も見受けられる」と課題を述べた。(社会部・下里潤)

 面会交流は、子どもと離れて暮らす親が、子どもと直接会う「直接的交流」のほか、電話や手紙などによる「間接的交流」もある。面会時間など具体的な内容や方法を父母が話し合って決めるが、まとまらない場合などに家庭裁判所が間に入り、調停で解決を目指す。

 調停が不調になれば審判手続きが開始され、裁判所が判断することになる。

 那覇家裁によると、県内の面会交流の調停は15~20年前はほとんどなかったが、男性の育児意識の高まりや調停制度の認知度向上などで申し立て件数が増加。全国的にも同様の傾向にあり、当事者間の対立も先鋭化しているという。

 同家裁の萱間(かやま)友道次席調査官は「どのような親でも子にとっては唯一無二の存在。健やかな成長のためにも面会交流は欠かせない」と意義を強調する。

 ただ、県内には父母間の連絡調整や子の受け渡しなどを担うNPOなどの第三者機関がないのが現状だ。

 萱間さんは「調停後、親同士が顔を合わせなかったり、決まり事を守らなかったりして、問題が振り出しに戻るケースがある。第三者の橋渡しさえあれば、円滑に進む可能性も高い」と強調。「子の視点に立ち、面会交流が当たり前になる社会が望ましい。地域で相互に支援していく体制が大切だ」と話した。