学生の就活を徹底サポートし就職率100%を達成する琉球リハビリテーション学院(金武町、儀間智理事長)。「セカンドキャリア(第二の人生における職業)」を目指す中高年の学生も多く受け入れ、国家資格の取得を推進しています。また、スポーツとリハビリを融合させた新しい概念「スポリハ」の浸透を目指すプロジェクト「琉リハ・スポリハプロジェクト」も展開しています。ほかにも、アジア各国のリハビリテーション人材育成を目的とした研究室「ARL」を開設するなど、グローバルな取り組みにも注目が集まっています。

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<セカンドキャリア>学びに年齢・ブランクは関係ない

理学療法士 47歳の挑戦

■田村昌夫さん(47)

 休職しながらセカンドキャリアを目指している理学療法学科3年の田村昌夫さん(47)に、資格取得にかける情熱や今後のビジョンについて聞きました。

社会人には短期間で学べるのが魅力

 

 ―お仕事をされながら学んでいるそうですね。

 障害者施設と老人デイサービスを運営する社会福祉法人に勤めています。ただし、3年生になり実習を受けるに当たって1年間休職しております。

 ―理学療法士を目指した理由は。

 介護福祉士や社会福祉士の国家資格を取得してはいますが、テレビの特番で理学療法士という仕事を知り、漠然と理学療法士になりたいという気持ちが強くなりました。腰痛を患った親の介護もきっかけの一つです。

 ―琉球リハビリテーション学院を選んだ理由は?

 介護の仕事をしているときに出合った、琉リハ卒の作業療法士の仕事ぶりが素晴らしく、自分もそうなりたいと考えたからです。また、働いている身としては3年間という短期間の講義も魅力でした。妻も賛成してくれました。若い人たちの輪の中に入って勉強することは楽しいですね。

60歳を超えても働きたいので、ここに決めた

 ―卒業後のビジョンはありますか?

 学ぶことも働くことも好きなので60歳を超えても働きたいと思っています。実際にその頃にはそれが当たり前になっているでしょう。入学当初は資格を取ること自体が目標でしたが、いろいろな先生方にお会いするにつれて、わたしもいずれは教員になりたいという気持ちも芽生えてきました。機会があればチャレンジしてみたいですね。理学療法だけを向上させるのでなく、自分の持っている経験を生かし、患者様の生活の質を上げることができればと考えています。

 

経験豊富なセカンドキャリアこそ有利!

■講師が語る授業の極意

 琉球リハビリテーション学院(以下、琉リハ)が重視する「セカンドキャリア教育」と「スポリハ」プロジェクトについて、実際に教壇に立つ理学療法学科専任教員の宮城嗣高先生、作業療法学科長の井上美和先生、メディカルスポーツ柔道整復学科長の瀬戸口大作先生の3氏にお聞きしました。

―セカンドキャリアを目指す方が増えていますが、年齢など不安も抱えているようです。学校現場から見て実際にはどうなのですか。

 

 宮城先生 人生100年時代です。今は70歳前後の方でも十分に学ぶことができ、働くことができます。セカンドキャリアを目標にすることはとても前向きなことです。セカンドキャリアを目指す方々は、仕事を経験しており、社会を知っていますので、高校を卒業してすぐ入る学生と比べると、理学療法士(PT)に必要な、悩みを持つ方との向き合い方も知っています。また、次の仕事を探すために相当の覚悟で入校してくるので必死に勉強します。昨年も還暦直前の方が理学療法学科を卒業されました。学びたいという気持ちさえあれば年齢は関係ありません。結局はやる気です。やる気のある学生は年齢に関係なく目の色がどんどん変わってきます。

 

 井上先生 琉リハで学ぶにおいて年齢に関する不安は一切ありません。ただ、勉強そのものに関していうと、ほとんどの方にブランクがあるのは事実です。当学科では少数の生徒に教師が集中的に教える「チュートリアル制度」を取り入れていますので、セカンドキャリアの方に対してはブランクのサポートも手厚く行っております。

 セカンドキャリアの方々は、仕事や勉強の両立、ご家庭のある方もいらっしゃって、いろいろ悩みもあると思います。作業療法士(OT)は心と体両方にアプローチしていく仕事です。70代で現役の作業療法士もいらっしゃいます。当学科はそのプロがそろう場所なので、メンタルサポートもしっかりできる自負があります。また、全学科共通で「学生支援委員会」というのがあり、学習、メンタル、経済面での悩み等サポートしております。多くの教員が1人の生徒を見ているのです。うつ病等の心の病や脳機能のリハビリテーションは作業療法士が担います。セカンドキャリアで作業療法士になられたら、これまでの仕事や人生経験は心のリハビリに役立ちます。精神分野のリハビリはこれからの社会で高い需要が有ります。精神面のリハは60歳を超えても仕事として十分にやっていけますので、セカンドキャリアとして是非、作業療法士を目指してほしいですね。

 

 瀬戸口先生 わたしは柔道整復師(JT)になる前にサラリーマンをしていたので、わたし自身もセカンドキャリア組です。将来のことを考え国家資格がほしいと、柔道整復師の学校に入り直しました。30歳ごろでしたが、わたしより年上の学生さんも大勢いました。柔道整復師には条件をクリアすると「開業権」があるので、自立したい方には資格自体がセカンドキャリアなのです。ほとんどが仕事を辞めて来られた方たちだったので覚悟が違いましたね。学ぶだけでなく国家資格取得がゴールという学科やはり大きな魅力なのだと痛感しました。先日、定年退職後に琉リハに入学した方から話を聞く機会があったのですが、「若い人と一緒に学ぶことで脳が活性化された。とても刺激的だった」と話していました。年齢で不安になることはないと思っています。

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<スポリハ>スポーツとつながる仕事をしよう!

 野球から柔道整復師の道へ

■仲田匠輝さん(19)

 

プロ選手になれなくても、サポートする側に

 ―柔道整復師を目指そうと思った動機は。

 少年野球をしていたころにけがをして、整骨院で柔道整復師の先生に見てもらいました。先生の処置でけがから驚くほど早く回復し、野球に復帰することができました。スポーツにかかわる仕事に就きたいと思うようになったころ、そのときの記憶がよみがえり、柔道整復師しかないと決めました。

 ―琉球リハビリテーション学院(琉リハ)を選んだ理由は?

 琉リハについては幼いころから知っていました。進路を決める時期にオープンキャンパスに行ってみたところ、先生や先輩たちから「とてもいい学校だよ」と入学を勧められ、実際にそういうフィーリングを肌で感じました。そのフィーリングが何よりの決め手になりました。

 

 ―入校してからはどうですか。

 先生、先輩方はオープンキャンパスでの出会いを覚えていてくれたので、すぐになじむことができました。先生は人生経験など教科書に載っていないことも教えてくれ、スポーツなどを通して他学科の先輩とも交流することができます。この学校を選んで正解だったと思っています。

 ―将来のビジョンを。

 わたしのけがを治してくれた整骨院の先生のように、スポーツ選手をサポートし、頼られる柔道整復師になりたいです。また、いずれは積み上げた自分の経験値を、次の世代にも伝えていきたいです。

 

プロ野球・楽天のトレーナー体験も魅力

■講師が語る授業の極意

―「スポリハ」について。

 

 宮城 スポーツにけがはつきものなので、もともとスポーツとリハビリは切り離せないものです。「スポリハ」という概念にはそういう意味合いが込められています。3学科の違いでいうと、そもそも柔道整復師は現場ですぐに治療ができます。理学療法士、作業療法士はリハビリをして元の体に戻すのが役割です。3職種ですみ分けができているのです。職業として関われば、やりがいがあることでお給料をもらえることなり、これほど素晴らしいことはありません。「スポリハ」は卒業生の就職選択の幅を広げるものだと思います。

 

 井上 作業療法士はスポーツに、心と体の両方で関わりますが、特にメンタルトレーニングが中心となります。脳機能をしっかりと理解したセラピストが関わるということで、集中力を高める、周辺視を広げるなどを目的に行うビジョントレーニングが役に立ってきます。脳を鍛えるという意味では、学校教育での成績アップも期待できます。さらには予防医学という観点から、運動や頭の体操などで認知症を防ぐという役割も期待できます。琉リハが実践している海洋リハビリテーションやホースセラピーもスポリハプロジェクトの一環です。

 

 瀬戸口 当学科の名称は元々、柔道整復学科だったのですが、スポーツに積極的に関わっていこうと、現在の学科名に変えています。当学科が一番「スポリハ」啓発の重責を担っていると感じています。本校のメリットの一つに、金武町で春季キャンプをはるプロ野球チームの東北楽天ゴールデンイーグルスのトレーナーに丸一日付きっきりで実習できる、というのがあります。学生にはかなりの魅力だと思います。琉リハのメリットを存分に活用し、「スポリハ」の概念を学んで、けがしにくい体づくり、つまり1次予防まで考えられる柔道整復師になっていただきたいと思います。「やる気」に加え「興味」があれば、やり遂げることは可能です。

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<沖縄からアジアへ>リハビリ人材育成

アジアでのリハビリ事業を担う人材育成 琉リハが研究室「ARL」設置

 琉球リハビリテーション学院(以下、琉リハ)は、国際的なリハビリテーションスタッフを育成し沖縄とアジア各国をつなぐことなどを目的に今年1月、研究室「アジア・リハビリテーション・ラボラトリー(ARL)」を立ち上げました。研究員も随時募集中です。

 背景には、中国を中心にアジア各国でもリハビリテーションを充実させる動きが加速していることがあります。

ARL研究室長の喜屋武龍介さん(右)と副室長の林敏彦さん

 ARLは、アジアやオセアニア地域および国内の人材育成、同校の専門性および多職種連携の利点を最大限に生かす、各学会への情報発信、国際的な学校間の連携などの活動拠点として位置付けています。

 琉リハは、手始めに、フィジー国立大学理学療法部の医学教育の発展を支援するとともに、琉リハの学生の国際交流の基盤をつくる「フィジー・琉リハ教育連携プロジェクト(FREPP)」を進めており、2月13日にフィジー国立大学を訪問し事業提携を交わします。琉リハでは、超音波エコーを開発している県内企業と連携し、すでに授業の中で教材として利用していますが、それをフィジーでも活用して行きます。また、北京の中日友好病院とも連携を図り人材交流、人材育成に寄与していきます。

 ARL研究室長で同校理学療法学科専任教員の喜屋武龍介さんは「沖縄を中心にアジア各地域とリハビリテーションで連携していきたいという思いが強くあります。いろいろな情報を発信して沖縄を盛り上げていきますので、同じ思いを抱く方にはどんどん参加していただきたいです」と呼び掛けました。副室長で専任教員の林敏彦さんは「回りにいい影響をもたらす人材の育成が目的なので、無限の可能性を秘めるARLを最大限に生かしてみたいです」と意気込みました。

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<理事長の想い>

「弱者支援のモデル事業に使命」

■儀間智 琉球リハビリテーション学院理事長

 琉球リハビリテーション学院(以下、琉リハ)では、人生100年時代を見据え、セカンドキャリアを目指す方々の国家資格取得を応援しています。また、スポーツとリハビリを融合した新しい概念「スポリハ」をプロジェクト化し、さまざまなスポーツシーンをサポートするとともに、学生のスキルアップにもつなげています。

琉球リハビリテーション学院理事長 儀間智(作業療法士)

 AI等の発展により、人間がかかわる仕事が将来減っていくとされていますが、少子高齢化もあってリハビリ専門職のニーズは高まるばかりです。さらに、複雑化する現代社会では求められるリハビリの形も多様化しており、人生経験値の豊富な40代以上のセラピストの活躍が期待されています。琉リハは、そんなセカンドキャリアを目指す学生に対し、国家試験合格まで手厚く支援するだけでなく、国家資格取得後も就職までしっかりとサポートします。リハビリ専門職の国家資格を、医師・看護師と同様の価値があるものと考えているからです。

 また、「スポリハ」の取り組みも推進しております。琉リハが位置する金武町にはプロ野球やJリーグチームがキャンプで訪れますが、中でも東北楽天ゴールデンイーグルスは、本校関連施設の「KINスポーツ整形クリニック」のフィットネスセンターを利用しています。また、琉リハには県内でも数少ない理学療法士と日本スポーツ協会公認のアスレチックトレーナー(AT)や日本障がい者スポーツ協会障がい者スポーツトレーナーの資格を併せ持つ教員がおり、県内スポーツ強豪校のトレーナーを兼ねています。いずれも学生にとって、プロの技を目前で学ぶことができるチャンスです。

 さらに琉リハは本年度から3年間、文科省科研費事業に参画し、eスポーツ分野にも積極的に進出。また琉リハの海洋リハビリテーション学科を通して、障がい者のマリンプログラムの提供と、さまざまなマリンスポーツの実践と普及活動を行っています。これらの取り組みを通し、本校学生には、他校にはない充実した実地研修をしていただいております。

 琉リハは、使命と責任感を持って、Powerful(行動する力)、Smartful(考える力)、Heatful(思いやる力)の3つの力を発揮できる医療人を育てます。今後も日本のモデルとなる人材育成と「弱者支援」のモデル事業が金武町から発信できるよう、わたし自身も精進してまいります。

 琉リハは、未来を見据え意欲ある皆さまのご入学を心よりお待ちしております。

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