心なんて、踊らないよ。そんなおめでたい人間じゃない。はずだった。覚えていないだけだった。心躍れば血も踊る。酒を酌み交わし、歌い踊り、熱狂した翌日は二日酔い。酒なんか2度と飲まない。と心に誓う。そう「ココロ、オドル」日々は確実にあった。でもそれは幻とイコール。記憶がぶっ飛んでしまうくらいの幸せの絶頂を、毎日歯をくいしばって生きているうちに忘れてしまっていた。

「ココロ、オドル」

 舞台となった慶良間諸島の姿は、作中ずっと晴れ渡り、まさに南国の楽園。だからといって、島の暮らしが常にハッピーなわけじゃない。描かれるのは、それぞれに問題を抱える3組の家族の物語。彼らが葛藤の末にたどり着いたココロオドル瞬間が、島の美しい自然と相見えるとき、そこは最高の楽園と化す。

 生きてれば、そのうちいいことあるさ。ってことですね。(桜坂劇場・下地久美子)

◇桜坂劇場であす2日から上映予定