選抜高校野球で沖縄尚学が初戦を突破した。全国制覇した1999年と2008年の過去2度のセンバツも初戦のスコアは1対0。偶然か必然か。3度目の快挙に期待が高まる好発進となった

▼無失点に抑えた山城大智投手は「厳しい試合だったが、仲間の守備に助けられた」と笑顔をみせた。好天の日曜日に地元の常連校との対戦。早朝から大勢のファンがスタンドを埋め尽くしたが、「相手の応援も自分への声援だと思って楽しんで投げた」という。頼もしい強心臓ぶりだ

▼きょうは美里工が東京大会覇者の関東一に挑む。春夏通じて初めての甲子園。公式戦の打率が5割を超える俊足巧打の一番打者、神田大輝中堅手は「甲子園のダイヤモンドで思いきり暴れ回りたい」と目を輝かせる

▼背番号1の伊波友和投手は「大会の雰囲気にも慣れ、いよいよあの場所で試合をするんだなとわくわくしている。普段通りのプレーでぼくらも初戦突破したい」と闘志を燃やす

▼沖尚は中学時代から硬式野球チームで腕を磨いた選手が多いのに対し、美里工はほとんどの選手が軟式野球部出身の「雑草軍団」。全国では無名の公立校だが、昨年2度の県大会で沖尚を破って優勝するなど、大舞台で旋風を巻き起こす実力は十分ある

▼史上初、甲子園決勝の県勢対決に夢がふくらむ。(田嶋正雄)