社説

社説[県民投票 全県で実施]早急に機運盛り上げよ

2019年2月2日 08:17

 米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡る県民投票が今月24日、県内のすべての市町村で実施されることが決まった。

 不参加を表明していた沖縄、宜野湾、石垣、うるま、宮古島の5市の市長が相次いで実施の意向を表明した。

 これでようやく全41市町村の足並みがそろったことになる。土壇場の歩み寄りを歓迎したい。

 全県実施を巡って、告示前にこれほどもめるとは、県も県議会与党も想定していなかったに違いない。

 昨年10月に成立した投票条例は「賛成」「反対」の二者択一だった。野党は4択にこだわり、与党は2択を主張して譲らなかった。 

 条例成立後、2択では選択の幅が狭すぎるなどとして、5市が相次いで不参加を表明した。

 「投票権を奪ってはならない」-全県実施を求める切実な声が日に日に高まっていく中で、県議会の与野党が土壇場で歩み寄った。

 「賛成」「反対」の2択に「どちらでもない」を加え3択とする条例改正にこぎつけたのである。

 14日の告示まで2週間足らず。時間はない。だが、この回り道は決してむだではなかった。市民自治、住民主権をいかに実現するか。そのための生みの苦しみだと前向きにとらえたい。

 戦後、沖縄の人びとは米軍政下にあって、そのような経験を通して権利を獲得していった。その経験は尊い。

 県民投票とは、政治について考え政治を学ぶ機会でもある、とあらためて思う。

    ■    ■

 全県実施の見通しがついたからといって、手を抜くことはできない。次に控える関門は、投票率のアップである。

 県民投票に法的な拘束力はないが、政治的には無視できないインパクトがある。投票率が高ければ高いほどインパクトは増す。

 県議会与野党による討論会の機会をぜひつくってもらいたい。活発な論戦を通して論点を明確にすれば、1票の重みを実感することができるはずだ。

 県内では4月に衆院沖縄3区の補欠選挙、夏に参院選が実施される。両選挙とも辺野古反対と容認の候補による事実上の一騎打ちになる公算が大きい。

 県民投票の前に、候補予定者による討論会を実現してもらいたい。

 辺野古では連日、埋め立てのための土砂投入が続き、新たな護岸の造成工事も始まった。この動きをどうみるかを明らかにしてほしい。

    ■    ■

 本土に住む大多数の人びとにとって、沖縄の県民投票は自分とは無関係な「対岸の火事」なのだろうか。

 復帰後、幾度となく浮上した海兵隊の撤退や削減、本土移転に反対し、沖縄駐留を水面下で主張し続けてきたのは日本政府である。その結果、基地の整理縮小は進まず、今もなお米軍専用施設のおよそ7割が沖縄に集中している。 このいびつな状態をいつまで続けるつもりなのか。

 県民投票に合わせて本土側でも、この問題を考えるさまざまな取り組みが広がることを期待したい。

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