本島と久米島を往復するフェリーで働く豊見城市在住の湧川朝則さん。乗船勤務を終えて、久米島で釣りをするのが一番の息抜きになっていると話す。水温の低い冬場、最も楽しめるのがウキ釣りで狙うミナミクロダイ。年明けから3月ごろまで、町内にある防波堤の水深5~6メートルある一帯には、中型サイズが群れで表層まで浮いてくる不思議な光景が見られるそうだ。
海底はほとんどが砂地で、あまり根掛かりすることはないが、餌のオキアミをベタ底にハワせると、コチなどの底物魚がヒットするという。ここに群れるミナミクロダイは平均40センチ。多いときで1日10匹、43センチがこれまでの最大サイズで昼間よりも夜釣りに分があるという。特に数が釣れるのは夜間の潮が満ちていく時間帯、そこに濁りが加わると最も条件が良くなるそうだ。
月夜に照らされて銀鱗(ぎんりん)の魚体をギラギラさせながら、まるで息継ぎするように海面に現れては消える対象魚を、電気タイプの円錐(えんすい)ウキ0号を静かに沈下させていく形で誘う。マキエサはチヌベストを基本に、チヌパワーのV10白チヌやムギスペシャルをブレンド。水分量を抑えてパラパラと海面にバラけるような配合を行い、広い範囲を探るのが湧川さんスタイル。1月28日、午後7時30分からの90分間で39・7センチを筆頭に6匹のミナミクロダイを釣り上げた。
【仕掛け】道糸1・7号、ハリス2号(1ヒロ半)、チヌ針4号、オキアミのエサ(名嘉山博 釣りPower)