沖縄タイムス+プラス ニュース

フェイクニュースへの信頼強める「バックファイアー効果」とは?

2019年2月4日 05:00

■幻想のメディア SNSの民主主義(7)第1部 何が起こったのか

 昨年の知事選期間中にツイッターに投稿した内容について、ツイッター上で取材班の質問を受ける意思を示したAさん(仮称、アカウント名も匿名)とのやりとりは4日にわたって続いた。Aさんはツイートでたびたび本紙の取材姿勢を批判した。

Aさんのツイートに対するフォロワーらの返信投稿

Aさんのツイートに対するフォロワーらの返信投稿

Aさんのツイートに対するフォロワーらの返信投稿 Aさんのツイートに対するフォロワーらの返信投稿

 〈ツイッターを漁(あさ)って一個人のツイートを記事にして「検証」するとか、どれだけ暇なのでしょう。しかも玉城知事側に批判的な人だけ。言論弾圧でしょう。保守系にも罵詈(ばり)雑言浴びせてる方々も同様に検証してはいかが?〉

 こうしたAさんのツイートに呼応し、2万7千人を超えるAさんのフォロワーらも加勢。

 〈取材と称して個人情報を引き出し、活動家に流すことが目的の行動としか思えませんね〉

 〈関わってはだめ。必ず事実を捻(ね)じ曲げて記事にします。中共の工作機関だと思って下さい〉

 取材の意図が曲解され、さらに過激な表現となり、フォロワーらによって拡散されていった。こうしたAさんのツイートに対し、2千件以上のリツイートが確認できる投稿もあった。

 結局、Aさんとのやりとりでは選挙期間中に事実誤認に基づいた投稿をしたことについて、直接の回答はなかった。

■   □

 ジャーナリストで専修大学の武田徹教授(メディア社会学)は、不正確な情報がネット上で氾濫する状況に関して「民主主義にとって、正しい情報は不可欠。誤った情報で地域社会のかじ取りを間違うことはあってはならない」と話す。ただ、マスメディア側による性急なファクトチェックによって、ネットユーザーが感情的に反発し、フェイクニュースへの信頼をさらに強めてしまう「バックファイアー効果」という現象が世界中で起きていて、国内でも社会の分断が深まる恐れがあると指摘する。

 その上で、武田教授はマスメディア側がすべきは、淡々と事実を提示していくことだと説く。「SNS上でどのような情報が広がり、情報がどう編集されていったかというプロセスを可視化できれば、真偽が不確かな情報が拡散される流れが分かる」とし、「ネットユーザーが自分自身で正しい情報を収集するための参考になり、結果的に選挙などでより冷静な判断をすることにつながる」と期待した。(「幻想のメディア」取材班)

<幻想のメディア(8)「政治家の投稿」に続く>

〈ご意見・情報をお寄せください〉
gensou@okinawatimes.co.jp
社会部FAX098(860)3483

連載バックナンバー

あわせて読みたい

関連リンク

沖縄タイムス+プラス ニュースのバックナンバー

沖縄関連、今話題です(外部サイト)

JavaScriptをOnにしてください

アクセスランキング

ニュース 解説・コラム

注目トピックス

沖縄タイムスのお得な情報をゲット!

友だち追加
LINE@

沖縄タイムスのおすすめ記事をお届け!

友だち追加
LINE NEWS