大弦小弦

[大弦小弦]東京で生まれ育った私が沖縄タイムスという名前を知ったのは…

2019年2月4日 08:03

 東京で生まれ育った私が沖縄タイムスという名前を知ったのは月刊誌「噂の真相」の名物コーナーだった。訂正記事だけを集めていて、この時はこんな事例が採録されていた。「『天皇降下』とあるのは『天皇陛下』の誤りでした」

▼間違いなどない、という建前がマスコミにはある。残念ながら実際は違う。誤りは素直に認め、責任を果たすべきだという主張があった

▼「明るくスキャンダル」を掲げた誌面は政治家から芸能人までごった煮状態。タブー視して報じないマスコミを批判した。自らも必要なら連載陣や編集部員さえ記事にする点が突き抜けていた

▼右翼に襲撃され、検察批判をして東京地検に起訴され、それでも25年間刊行を続けた。編集長の岡留安則さんはどんな猛者かと思いきや、拍子抜けするほどひょうひょうとした人だった。人間への尽きない好奇心と楽天主義が原動力だった

▼リタイアを宣言し、休刊した2004年の別冊ではひつぎに入れた最終号と自身の「遺影」を並べた。噂の真相は岡留さんそのものだった。その後は沖縄に移住、飲み屋を構えて広く交遊したが、先月31日に本当に帰らぬ人になってしまった

▼しみだらけになったバックナンバーを本棚から取る。あえてだろう、後進を挑発する言葉がある。「やってみろ、オレは体を張ってきたぞ!」(阿部岳)

ルポ 沖縄 国家の暴力 現場記者が見た「高江165日」の真実
阿部 岳
朝日新聞出版 (2017-08-21)
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