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名護市長選の反省…「デマバスター」結成 発信者の間違いを地道に追及

2019年2月8日 05:00

■幻想のメディア SNSの民主主義(9)第1部 何が起こったか

 「やはり始まった」「発信源をつぶしていこう」

玉城デニー氏の選挙母体が作成した知事選でのインターネット戦略をまとめた資料

平良暁志さん

玉城デニー氏の選挙母体が作成した知事選でのインターネット戦略をまとめた資料 平良暁志さん

 沖縄県知事選のあった2018年9月上旬、玉城デニー候補(当時、現知事)の選挙母体のインターネット対策の担当者は、知り合いのSNSユーザーらに連絡した。「デマ切りを始めてください。ツイートを集中的にお願いします」

 知事選では8月下旬ごろから玉城氏や故翁長雄志前知事をおとしめるような動画サイトが出現していた。

 担当者らの脳裏にあったのは半年前の名護市長選。ある議員らが選挙期間中、現職候補者を批判する虚実ないまぜの動画付き投稿を拡散し続けた。結果、プロ野球球団の春季キャンプ一時撤退が現市政の失政だとするデマなどが市民らに浸透していくのを感じたという。「名護市長選ではデマ対策が遅すぎた。二の舞いは避けたかった」と、この担当者は振り返る。

 名護市長選で落選した現職の稲嶺氏を支援した「オール沖縄」側は、現職だった翁長雄志知事の再選に向けて3月ごろから選挙準備に取り掛かった。名護の苦杯を念頭に、特にネット対策を重視。デマ情報を見つけ対処する「デマバスター」チームを結成した。

 「デマにデマで対抗しても有権者はついてこない。発信者の間違いを地道に追及することで、相手はその反証作業に追われるし、偽情報を発信し続けていると、その人の信用度が低下する」。ネット対策担当者の一人、平良暁志さん(45)はこう語る。

 市民団体や、県内で積極的にSNSで発信しているユーザーらにチーム編成を促した。発信源に注視し、誹謗(ひぼう)中傷などでの対抗ではなく、それぞれで事実を並べて反論するよう呼び掛けた。

 デマ対策は選対事務所に出入りしなくても、スマートフォンがあればどこでもできる「選挙運動」だ。平良さんは「『デマを放置してはいけない』が名護市長選の教訓だった」と強調する。

 現在、同チームのメンバーらは、名護市辺野古の新基地建設を巡る県民投票に向けた「新基地建設反対県民投票連絡会」の広報宣伝も担当する。平良さんは「さらに高度な手法で悪質な虚偽情報が発信される恐れがある。知事選での取り組みを踏まえ、正しい情報やこちら側の主張を発信することで、有権者の選択に必要な情報提供をしていきたい」と話した。(「幻想のメディア」取材班)

<幻想のメディア(10)「BuzzFeedが暴いた闇」に続く>

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