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広告なく「政治的意図を感じた」 BuzzFeedが暴いた沖縄フェイクの闇

2019年2月9日 06:00

■幻想のメディア SNSの民主主義(10)第1部 何が起こったか

 2018年9月上旬、オンラインメディアのバズフィードジャパン(東京都)に、読者から「選挙に関して問題だと思うサイトが出回っている」との情報が寄せられた。

県知事選での取材を振り返るバズフィードジャパンの(右から)古田大輔編集長、籏智広太記者=4日、東京都内

 タイトルは「沖縄県知事選挙2018」と「沖縄基地問題.com」。

 一見、公式機関のサイトのようだが、取材に当たった同社の籏智(はたち)広太記者(29)は「内容のほとんどは知事選候補者だった玉城デニーさんをおとしめる誹謗(ひぼう)中傷だった」と振り返る。

デマ情報の氾濫

 同社は15年の設立以来、沖縄報道に力を入れる。創刊編集長の古田大輔さん(41)は「日本の安全保障の問題として基地問題がある。東京のメディアが取り上げないのはよくないと思い、積極的に発信している」と理由を語る。

 基地問題が争点となった県知事選の告示後には記者2人を沖縄に派遣。地方の首長選挙にここまで注力するのは初めてだ。背景には、これまでにないデマ情報の氾濫があったという。

 同社が県知事選に関して配信した記事は24本。そのうち、10本がネット上の情報などを基にした事実を検証する記事だった。古田さんは「多種多様なフェイクを目にすることで、有権者の投票行動に影響を与える可能性がある。この情報は間違いだということを読者に伝えなければならないと考えた」と説明する。

 〈壊し屋と共産主義者が沖縄を滅ぼす!?〉

 〈玉城デニー氏と豪華別荘の関係!〉

 前述のサイトには、これまで取材したフェイクサイトと同じように、読者が思わずクリックしたくなるような文言が並んでいた。一方、これまでのサイトにあった「広告バナー」は見当たらなかった。

ファクトチェック

 フェイクニュースを発信する目的の一つが広告収入だ。サイト運営者はより興味を引く見出しを付けて読者のクリックを誘い、その数によって広告料を得ることが多い。しかし両サイトに広告バナーはなく、籏智記者は「政治的意図があると感じた」と話す。

 同社の検証記事配信後、ほどなくして両サイトは消えた。

 古田さんは大手マスコミによる従来の選挙報道について「公平中立で報道しなければならないという縛りの下、結果として選挙の中身を積極的に報じることが少ない」とみる。

 フェイクニュースはそこにつけ込み、読者にさまざまな情報を与えようとする。「ファクトチェックができる力を持った報道機関が、事実に基づかない情報をきちんと指摘していくことが重要だ」と語った。(「幻想のメディア」取材班)

<幻想のメディア(11)「シングルマザー」に続く>

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gensou@okinawatimes.co.jp
社会部FAX098(860)3483

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