沖縄県の主要水産物として多く養殖されているモズク。フコイダンと呼ばれる機能性成分が含まれることで知られ、栄養機能食品や化粧品、創薬などに活用されている。

研究室でモズクを観察する西辻光希博士(左)と有本飛鳥博士(OIST提供)

 海ぶどうは、沖縄を訪れる観光客にとって、一度は食したい「グリーンキャビア」といわれる。沖縄を代表する二つの特産品に関する研究が、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で進められている。今回は、モズク研究に取り組む西辻光希博士と海ぶどう研究の有本飛鳥博士を紹介したい。

 日本国内で養殖される褐藻、モズクの99%以上は沖縄で生産されている。さらに、その9割以上がオキナワモズクだ。2016年、2人が所属する研究チームにより、オキナワモズクの全ゲノムが解読された。

 西辻博士は「モズクは生物として非常に面白い。特性をより深く知るためには、生物の設計図といわれるゲノムを解析する必要がある。生き物を知る上で非常に重要なこと」と説明する。沖縄に複数存在するモズク種のゲノムを明らかにすることで、養殖技術の向上や新品種の開発、各地のブランド化につなげたい、と研究に力を入れている。

 一方、有本博士は、海ぶどうのゲノム解読に取り組んでいる。まだ発表前の研究成果だが、ほぼ全ゲノムの解読が終了している。今後、このゲノム情報を活用し、海ぶどうの生育に影響する要因を特定することができれば、と期待している。

 有本博士は研究の面白さについてこう話す。「海ぶどうは実は単細胞生物。たった一つの細胞で複雑な形を作り出している。海ぶどうの細胞がいかにしてその複雑な形を作り上げていくのかを解明できれば、生育しやすい優良品種を作り出すことにつながるのでは」
 海藻ゲノム科学の研究者は現在、世界中に十数人しかいないという。そのうちの2人がOISTで活躍している。2月は早摘みモズクのおいしい季節。まさに“今が旬”な2人の、今後の研究に注目していただきたい。(OIST地域連携セクション/ミラー・メリア)

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 8日午後6時半から、ジュンク堂書店那覇店で、両博士が講話する。褐藻や緑藻の進化の解明と養殖技術、新品種の開発・改良につながるトークを楽しんでもらいたい。入場無料。予約不要。