【松田良孝台湾通信員】台湾から新婚旅行で来沖中に早産で生まれた鄭阿鴻(ツェンアホン)ちゃん=1歳10カ月=がすくすくと成長している。出産時の医療費として県民から多くの寄付が寄せられたことに感謝したいと、両親は今年4月、阿鴻ちゃんと共に再び沖縄を訪れる予定だ。

家族で記念撮影。(左から)父親の鄭さんと母親の李さん。鄭さんに抱っこされているのが阿鴻ちゃん

4月に再訪予定

 阿鴻ちゃんは、両親と祖父母の5人暮らし。祖母によると、阿鴻ちゃんは人見知りする性格で、ゆっくりと人に慣れていくタイプ。なんでもよく食べ、活発に動く男の子だ。父親の鄭さん(25)は「息子は多くの人に助けられて出産した。その恩返しのために、支援を必要としている人を手助けできる人になってほしい」と願う。

 両親は2017年3月、新婚旅行で沖縄を訪れた。母親の李さん(21)はその晩に破水して翌日、県立南部医療センター・こども医療センターで出産した。予定日の6月下旬より3カ月近い早産で阿鴻ちゃんの体重は884グラムだった。

 この出産に日本の保険制度は適用されず、両親は出産費用など600万円以上を負担しなければならなくなった。鄭さんは「日本には知り合いもおらず、どうしたらいいか分からなかった」と振り返る。祖母も「息子は結婚したばかりで沖縄は知らない土地。知らせを聞いて、とても心配した」と話した。

 両親の窮状が新聞報道などで知られるようになり、琉球華僑総会や台北駐日経済文化代表処那覇分処などを中心に支援の輪が広がった。

 両親はネジ製造工場の元同僚。祖父母が職場の旅行で沖縄を訪れ、玉泉洞や沖縄美ら海水族館などで楽しんだことを土産話に聞かせたことがきっかけで、新婚旅行先に沖縄を選んだ。しかし、思いがけない出産で旅行はお預けに。

 今年4月の沖縄訪問は清明節の長期休暇に合わせたもので2日から4泊5日の予定。鄭さんは「支援してくれた人たちにお礼を言いたい」と話している。