寝すごした休みの日、テレビでゲストと会話するタレントのタモリさんの声に「もうこんな時間?」と、焦ったものだ。時計を見なくても分かる平日お昼の「笑っていいとも!」は、もはや日常の一こまだった
▼1982年の開始から32年。通算8054回を数えたランチ時の看板番組が、3月31日で終了した。単独司会者による生放送バラエティーでは、最多回数としてギネスにも記録された
▼総合司会のタモリさんは今年68歳、一つの会社を勤め上げたにも近いだろう。その日はセンバツ甲子園で、沖尚ナインが4強を懸け奮闘中。行方を案じつつも、小学生のころから続く長寿番組の最後ぐらい、と悩んだ
▼名護では3月末、ヘリ基地建設阻止協議会「命を守る会」が17年間の活動に一つの区切りをつけた。今後「辺野古区民の会」と名称を変えて、地元に根差した活動に向け再出発する
▼出会いや別れ、進学や異動と、慌ただしい4月。今年は消費増税も加わり、多くの「変化」と向き合う季節だ。落ち着くには時間がいるが、新たなスタートは人生の刺激になる
▼「現状維持では、後退するばかりである」とは、アニメ界の巨匠、ウォルト・ディズニーの言葉。変化にひるまずパワーを蓄え、前進したい。「今日がだめでも、いいトモロー♪ きっと明日はいいトモロー」だ。(儀間多美子)