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職場で言いづらい気持ち…動画で発散 シングルマザーの投稿5万回再生

2019年2月11日 06:00

■幻想のメディア SNSの民主主義(11)第1部 何が起こったか

 暖色系のダウンライトがそそぐ薄暗い室内。キツネの面をかぶった人物がリズムに乗ってコミカルに踊り、県知事選候補者の名前を叫ぶ。

知事選期間中に拡散されたリュウキュウイシガメさんの動画

 〈買い物ついでにー 玉城デニー〉

 〈送迎ついでにー 玉城デニー〉

 2018年9月の沖縄県知事選告示日の数日前、短文投稿サイト「ツイッター」上で公開された動画が一気に拡散された。投稿したのは、アカウント名「Ryukyu Ishigame」(以下イシガメ)さん。沖縄本島中部で中学生の子ども2人と暮らす40代のシングルマザーだ。

 「職場では相手候補を支持している人が多く、デニーさんを支持している自分の気持ちを言いづらかった。ひそかにデニーさんを応援しているということを表明し、気持ちを発散させたかった」。当時ツイッターを始めて約9カ月、フォロワーわずか3人のSNS初心者が、炎上を恐れながらも率直な思いを動画に込めた。

 まずは、歌と文字だけを投稿してみたが、反応はいまいち。それならばと得意のダンスを取り入れ、動画にした。

 映像は31秒。候補者名をもじったおやじギャグに、日常生活の行為を織り交ぜたシンプルな振り付け。一度聞くと頭にこびりつく歌詞とリズムだ。動画投稿の翌朝、スマートフォンを見て驚いた。再生回数が1万回を超えていた。

 〈しに爆笑〉〈秀逸だ〉

 みるみる拡散され、投開票日までに5万回を突破。あっという間にSNS上の人気者になった。

 好評価が後押しとなり、それまで政治的な話を避けていた職場の同僚にも動画を共有してみた。「ウケる」「佐喜真さんのも作ってよ」。相手候補を支持する人たちの反応も上々で、実生活でも自らの政治的な考え方を表明できるようになった。

 今年1月下旬、イシガメさんは新たな動画を投稿した。当時、「辺野古」県民投票に不参加の意思を示していた5市長に投票への参加を呼び掛けた。

 〈市民を悲しませるのはおよーしー〉

 こちらの動画にも好意的な反応が相次いだ。

 イシガメさんはSNS発信の意義を実感している。「選挙や政治の話は堅くて難しいイメージがあるが、動画を見てクスリと笑いながら考えるきっかけになれば。今後も笑いの要素を交えながら自分の思いを発信していきたい」と笑った。

(「幻想のメディア」取材班)

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