高級ブランドには縁はないが一体だれが買うのかと首をかしげてしまった。イタリアの高級ブランド「グッチ」のタートルネックのセーターが、黒人差別に当たるとの批判を受けて販売を中止した

▼米歌手のケイティー・ペリーさんがデザインを手掛けた靴は黒人蔑視ではないかという指摘を受け、小売店やネットでの販売を中止する動きも出ている。いずれも黒人の顔と大きな赤い唇をあしらったデザインだった

▼グッチは謝罪し、「多様性は全面的に守られ、尊重されるべき基本的な価値観」とコメントしたが、遅きに失した感は否めない。業界では過去にも同じようなケースが起きており、またかと失望してしまう

▼ファッションにおけるデザインは無限で、その表現の自由や独創性、多様性は当然認められるべきだろう。ただ、明らかに人種差別を想起させ、不快感をあおるようなデザインに意味は見いだせない

▼黒人モデルのエボニー・デイビスさんは以前、モデルの黒人枠の制限や髪の毛、肌の色の扱いで差別的な扱いを受けたとして、業界に問題提起した。多様性を受け入れ、「美」の定義を広めようとも呼び掛けた

▼ファッションは多くの人々を魅了し、楽しませてくれる。国境をも超える分野でもあり、多様性を尊重し、差別をなくすことにブランド力を発揮してほしい。(赤嶺由紀子)