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マイク大音量の演説「イケてない」 慶大生が開発した政治アプリ、一方通行からの脱却

2019年2月20日 05:00

幻想のメディア SNSの民主主義(14)

 2018年9月12日、県知事選の告示日を前に来県した伊藤和真さん(20)=慶應大学2年。目的は自身が開発したアプリ「ポリポリ」で、県知事選候補者の政策にアプリ利用者が直接意見を投げ掛けられる仕組みを整えるためだ。「基地問題など社会課題が日本で一番密接している場所が沖縄だと思った」

アプリ「ポリポリ」を開発した伊藤和真さん=4日、東京都内

「ポリポリ」開発

 アプリ開発のきっかけは17年10月の衆院選。マイク片手に大音量で政策を訴える街頭演説を聞きながら思った。「イケてない」

 道行く人のほとんどが、ただうるさいと感じてるように見え、一方通行に感じた。それから数カ月後、伊藤さんは友人らと共にネット上での政治家と建設的な議論を通して「イケている」まちづくりや国づくりができればと「ポリポリ」を開発した。

 「ポリポリ」は自分が発言した内容が他の利用者からの共感〈いいね〉を得られたり、自分が立ち上げた議論の場に政治家が参加したりすると、スコアが上がる仕組みだ。スコアが高いほど信頼度が高まる。

 〈若者の声を県政に反映させる方法を教えてください!〉

 県知事選の期間中、「ポリポリ」に寄せられた現知事の玉城デニー候補(当時)への質問だ。県知事選では4候補者中3人が利用者とのやりとりに応じた。

 〈ポリポリを見るだけで候補者の政策が分かる〉

沖縄まだまだ

 利用者からはアプリの効果を評価するコメントが寄せられたが、伊藤さんは、沖縄にはまだ積極的に参加する政治家が少なく、本来目的とする活発な議論やそれを基にした政策への反映などには至っていないと冷静に受け止める。

 現在の全国の利用者数は約1万人。今後控える参院選や統一地方選に向けて「さらにアプリの質を高め、多くの政治家に参加してもらいたい」と意気込む。

 24日に投開票が迫る県民投票。伊藤さんは「既存のメディアが論点を整理した上で、それを基に政治家や一般ユーザーがポリポリ上で活発にやりとりしてもらえれば双方向の議論につながる」と期待を寄せる。

 「アプリが意見を吸い上げて、政治家がそれをきっかけに政策を作ってもらえるようなインフラとして今後機能させたい」。ネット情報と政治の相乗効果に可能性を見いだしている。(「幻想のメディア」取材班)=第1部おわり

沖縄タイムスとポリポリ、県民投票向けページを開設

 慶應大学2年生の伊藤和真さん(20)らが展開する政治家や一般ユーザーが政治について自由に議論できるアプリ「PoliPoli(ポリポリ)」と沖縄タイムスは18日から、名護市辺野古の新基地建設や県民投票について議論できる特設ページをアプリ内に設けた。ページ内での議論の一部を紙面で紹介することがある。

 アプリへの登録は無料。「App Store」でダウンロードできる。アンドロイドには対応していない。

〈ご意見・情報をお寄せください〉
gensou@okinawatimes.co.jp
社会部FAX098(860)3483

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