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幕が開けた沖縄県民投票 県「埋め立て撤回」の追い風に期待 自民は一部で「賛成」運動

2019年2月15日 05:00

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票の幕が開けた。告示日の14日、政府は早くも投票結果に関わらず建設工事は進める姿勢を示したが、県は直接民主主義で示される意思の尊重を強調する。一方で、県内政界では与野党ともに4月の衆院補選など主要選挙への影響をにらむ。(政経部・銘苅一哲、大野亨恭、東京報道部・大城大輔)

県民投票の告示日、辺野古では大浦湾側に新たな護岸を造るため、海岸(手前左)に石材を敷き詰める作業が進められた=14日午前11時40分、名護市(小型無人機で撮影) 

「結果は見えている」

 辺野古反対が根強い沖縄での県民投票に、政府関係者は「反対の結果は見えている」と本音をこぼす。

 辺野古埋め立ては仲井真弘多元知事から承認を得て工事を進めており、政府内には決着済みとの見方が広がる。政府関係者は「普天間の問題はこれ以上長引かせない方がいい」と語る。

 反対の結果が出れば世論がさらに高まるのは確実で、玉城デニー県政の追い風となり辺野古の工事の長期化が予想される。

 菅義偉官房長官は14日の記者会見で「普天間飛行場の危険除去をどう進めていくかは極めて重要な問題だ。知事としても固定化は絶対に避けなければならないはずだ」と早くも予防線を張った。

県の撤回を補強

 一方で、県幹部は投票結果に関わらず辺野古を進める考えの政府に「自治法で認められた直接民主主義の結果を無視すれば、国民の批判に耐えきれないだろう」と指摘する。

 昨年8月の承認撤回は国土交通相が一時的な執行停止を決定したが、県は不服を申し立て撤回は有効との姿勢を堅持する。県関係者は「国交相が撤回を取り消す審査は結果が出ていない。県民投票で反対が多数なら、県の撤回を補強する政治的な要素にはなる」と期待。

 県は仮に撤回が取り消されたとしても、2度目の撤回も理論的にあり得るとしており「そうなれば県民投票も理由の1つになり得る」との認識を示した。

衆院補選を見据え

 与野党が見据えるのは、投開票から約2カ月後に実施される衆院3区補欠選挙への影響だ。与党は県民投票の運動と、「反対多数」の結果を選挙の追い風にしたい考えで、一方の自民は最大限の影響回避を狙う。

 「2カ月で熱が冷める訳はない。アチコーコーのまま選挙に突入だ」。与党幹部は、県民投票の勢いを選挙に取り込む考えを示す。

 安倍政権は反対が多数を占めても工事を続行するとの見方を示した上で「工事を強行すれば政府を徹底的に批判する。その批判の矛先は政府が寵愛(ちょうあい)する自民候補にも向くだろう」と見通す。「選挙2カ月前の県民投票は絶妙なタイミング。綿密な戦略を練る」と鼻息荒く語る。

「移設賛成」運動も

 一方、自民県連内では選挙への影響に懸念が渦巻く。「とにかく、選挙に影響がないように取り組むべきだ」。12日に県議会であった議員総会で、県連関係者の一人はこう訴えた。

 自民は県民投票の「自主投票」を決めた。「波風が立てば立つほど選挙への影響は大きくなる」(県連幹部)との判断だ。

 ただ、4区では西銘恒三郎衆院議員を中心に「賛成 全面返還」とののぼりを作成し、各地へ設置する動きがあるほか、宜野湾市などでも県議、市議らが「移設賛成」の運動を計画している。

 選挙への影響を懸念する県連関係者は「2カ月間でどれだけ熱を冷却できるかだ。じっと嵐が過ぎるのを待つしかない」と吐露した。

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