沖縄タイムス+プラス ニュース

辺野古新基地、総工費は青天井 想定外の地盤改良 工法・工期不明で大幅増必至【深掘り】

2019年2月18日 05:00

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設の総工費が大幅に膨らむことが確実となった。沖縄防衛局は当初、資金計画書で2400億円としていたが、想定していなかった軟弱地盤の地盤改良が必要となったためだ。国会では工費について「青天井だ」との声が上がり始めた。政府は、莫大(ばくだい)な税金が投入される公共工事にもかかわらず、不確定要素があるとして総工費の明示は困難としながら、工事を進めている。(東京報道部・大城大輔)

既に4割支出

 防衛省によると、2017年度末までに実際に支出した額は約920億円で、すでに2400億円の約4割に達している。

 防衛省は「総工費のうち埋め立て工事が約4割を占める」としつつ、「土砂の調達や輸送費等が相場にも左右され、いまだ約9割が契約に至っていない」として不確定要素を挙げる。

 現在使われている埋め立て土砂は、沖縄総合事務局が定める単価より高い1立方メートル当たり1万1290円で購入されている。

砂杭7万7千本

 最も工費を押し上げる要因になりそうなのが、大浦湾側の軟弱地盤の改良工事だ。政府は最長90メートルともされる砂杭(すなぐい)を7万7千本打ち込む方法を検討しているが、さらに増える可能性もある。杭(くい)打方式での地盤改良は過去にも例があるが、大浦湾のような深さの地盤改良ができる作業船は国内に数隻しかない。さらに沖縄の場合は台風が襲来することもあり、工事が長期化する要因を抱える。

 防衛省は県が埋め立て承認申請を撤回した際、工事停止中も1日約2千万円の警備費などを要すると試算していた。工期が延びれば、警備費や機材の維持費などもかさむことになる。安倍晋三首相は1月30日の衆院本会議で「工期や費用について確たることを申し上げることは困難」と明示を避けた。

県試算は2.5兆円

 一方で、県は岩国基地(山口県)の例を参考に地盤改良の工事費を500億円などと見積もり、総工費は2兆5500億円に上ると試算している。

 2月5日の野党超党派議員による防衛省からのヒアリングで、工費に関し議員からは「ブラックボックスで青天井だ」(立憲民主・石橋通宏参院議員)との批判が噴出した。

 沖縄大・沖縄国際大特別研究員の宮田裕氏は「工期も工費も示されないまま工事を進めるのは、予算の適正執行の面からも問題。政府は額を国会に示し、議論するべきだ。それをしないのは事業に合理性がないからではないか」と指摘した。

もっと詳しく。有料会員ならこんな記事も読めます。

沖縄の米軍基地の集団感染 発端は米本土部隊から

報告書から異例の「辺野古」削除 海兵隊の沖縄への強いこだわり

「翁長が恋しいです」流れ呼んだ妻の訴え 沖縄県知事選

月額550円で有料記事が月100本読み放題の「ライトプラン」もございます。 

 
連載・コラム
きょうのお天気