沖縄県宜野湾市にある県営大謝名団地の一角に昨年11月、毎週月曜日の朝2時間だけオープンするカフェが開店した。その名も「グッドモーニングカフェ」。子どもたちが朝食を取る習慣の定着と、単身世帯の孤食解消を目的とする。発案者は1人の母親。それに自治会長や婦人会、行政職員が応え実現した地域食堂だ。

地域食堂を立ち上げた名嘉真美奈子さん=4日午前7時半、宜野湾市大謝名

大城周子・大謝名団地自治会長

地域食堂を立ち上げた名嘉真美奈子さん=4日午前7時半、宜野湾市大謝名
大城周子・大謝名団地自治会長

 「おはよう」「きょうは寒いねー」

 カフェの開店時間は午前7時半。しかし4日午前7時すぎには、近くの小学校に通う男児2人が待ちかねたように訪れた。食品アレルギーの有無を確認するため受付に名前を記入した後、思い思いにランドセルを置いて皿を手に取る。

 朝食はビュッフェ形式。おにぎりや果物、パン、ゆで卵、みそ汁など好きな食べ物を選んで皿にのせた。

 カフェの発案者は名嘉真美奈子さん(49)。きっかけは、小学生の息子の同級生に朝食を食べていない子がいると気付いたから。子どもの貧困問題が注目されて久しい。「目の前の子どもたちに何かできないか」と朝食提供を思いついた。

 場所を探していた時、協力を申し出たのが大謝名団地の大城周子自治会長(46)だ。大城さんも子を持つ母親。「団地のお年寄りも一緒に利用できるなら」と光熱費の負担だけで自治会事務所を貸す。

 カフェがある月曜の朝は早い。午前6時に事務所を開けて米を炊くのは大城さん。しばらくして名嘉真さんやボランティアの女性たちがやってくる。

 学校の協力を得てカフェのチラシを教室で配布した翌日は、いつにも増して大勢の児童がやってきた。中学生の姿もある。おしゃべりしながら楽しそうに食べる姿に名嘉真さんは「誰でも来れることが大切。そうすれば本当に必要としている子も来やすい」と目を細める。

 午前7時半になると団地のお年寄りたちが集まる。カフェの運営は補助金が頼りだが持ち出しも多い。子どもは無料だが、大人は1人100円を払う。それでも毎週約10人のお年寄りが、子どもや近所の人たちとの交流を楽しみに通う。団地に住む外間久子さん(75)は「昔は地域の子に、ご飯を食べたかどうか聞くのは当たり前だった。こういう場が続いてほしい」と願った。

 「行ってきまーす」

 午前7時55分、地域に見守られながら子どもたちは元気よく登校していった。