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なぜ辺野古の滑走路はV字形? 政府「集落上空を回避」

2019年2月16日 05:00

そもそも辺野古~県民投票を前に

 名護市辺野古の新基地建設は当初から現在の「V字形滑走路」が想定されていたわけではなく(1)キャンプ・シュワブ陸上部のヘリポート案(2)海上ヘリ基地案(3)軍民共用・15年使用期限付きの辺野古沖案(4)L字形埋め立て案(5)V字形滑走路案−の5工法で変遷してきた。

名護市辺野古の新基地建設計画

 日米両政府は当初、キャンプ・シュワブ陸上部のヘリポート案を検討していたが、移設反対の声や当時の知事の意見を踏まえ、海上ヘリ基地案、軍民共用・15年使用期限付きの辺野古沖案を検討した。

 ただ、政府が2004年4月から着手した海上のボーリング調査に抗議する市民がカヌーやボートで海上のやぐらまで移動した上で占拠し、調査が中止に追い込まれるなど、辺野古沖案に反対する抗議活動が激しさを増した。

 その後、政府は沖合ではなく、市民が容易に足を踏み入れられないキャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立てる計画を検討。日米両政府は05年10月に在日米軍再編計画の中間報告でシュワブ沿岸部を「L字形」に埋め立てて滑走路1本を造る案で合意した。

 一方で、県や名護市は住宅地上空が飛行ルートに当たるためこの案に反対し、沖合への移動を求めた。06年3月には当時の稲嶺恵一知事が政府にL字形を拒否する考えを伝えた。

 政府は06年4月、滑走路を2本建設する「V字形」を名護市と基本合意し、翌5月には米軍再編最終報告でV字案を日米が合意した。日本政府はV字案について、長さ1800メートルの滑走路を2本V字に配置し、離陸と着陸で滑走路を使い分けることで住宅地上空を飛行しないとしている。

 ただ、V字形滑走路は、米軍が航空機が安全に離着陸するため空港周辺で一定の高さの建造物の建設を禁止する「高さ制限」のエリア内に家屋や鉄塔など計358件が抵触することが明らかになっている。県も18年8月に埋め立て承認を撤回した際、高さ制限の問題も撤回理由の一つとした。

 一方で、政府は基準には適用除外が設けられており、米軍が安全性を確認すれば制限を超える建物があっても問題がないとの認識を示している。(政経部・銘苅一哲)

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