筋力が低下していく難病の筋ジストロフィーを患う新城宇宙(うみ)さん(22)が今春、琉球大学工学部情報工学科を卒業する。地元今帰仁村を離れ、周囲のサポートを受けながら一人で暮らし、学業に励んだ。特別扱いせず、自然体で接した仲間や教員らに感謝する。「大変だったけれど、楽しかった」。4月以降も引き続き、同大大学院で学ぶ。(社会部・嘉数よしの)

研究について話し合う新城宇宙さん(左)と國田樹助教=20日、西原町の同大

自然体で接した仲間たち

 新城さんは小学1年生の時に病気が判明し、6年生の頃から車いすで生活している。今帰仁中学校、北山高校を卒業し、「車いすでもできるパソコンについて学ぼう」と大学進学を決めた。

 進学と同時に自立したいと、親元を離れる決断をしたものの「身の回りのことを助けてくれる人を探すため、一から人間関係をつくる必要があった。最初はストレスが多かった」と振り返る。

 地域の事業所がボランティアで学校とアパートの送迎を担い、学内では同級生らがトイレや教室移動の援助を買って出た。3年生の頃には、県外合宿にも参加。教員を志しており、教育実習も経験した。

 ただ、生活の多くで介助を要するため、研究にかけられる時間が限られることも。「夜中に課題に取り組みたくても、介助者にいったんベッドに連れて行ってもらったら眠るしかない。ぎりぎりのときは親が泊まりに来て協力してくれた。(卒業できたのは)家族のおかげ」と感謝を口にする。

車いす用クッションの研究

 卒業研究では生活の不便を解消したいと、車いす用のクッション「ロホクッション」をテーマに据えた。長時間の座位が原因で起こる褥瘡(じょくそう)(床ずれ)を予防するため、臀部(でんぶ)への圧力などについて調べた。「自分もそうだが、多くの車いす利用者が抱える問題。何か成果を出せたら」と説明する。

 4月からは大学院でさらにロホクッションの研究を進める。指導する國田樹助教は「必要なサポートはするけれど、特別扱いはしない。論理的思考と情報スキルを向上させてほしい」と温かいまなざしを向ける。

 新城さんは「みんな遠慮しないのでありがたい。いろいろなことに挑戦できる力をつけていきたい」とほほ笑んだ。