宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日午前7時29分、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」への着陸に成功したと発表した。

 機体の底からのびた筒状の装置を地表につけて金属弾を発射、砕いた岩のかけらや舞い上がる砂ぼこりを回収するのが最大の使命だ。

 JAXAが「完璧なミッション」と話すように、試料は探査機内部の容器に入ったとみられる。2005年に小惑星「イトカワ」から微粒子を採取した初号機はやぶさに続く快挙である。小惑星探査で世界をリードする技術力の高さをみせた。

 プロジェクトに関わった研究者や技術者をたたえたい。

 りゅうぐうは地球から3億4千万キロ離れ、火星との公転軌道の間にある幅900メートルの小さな惑星だ。そろばん玉のような形をしている。

 半径約3メートルの狭い場所に着陸した。地球からの指令が伝わるのに片道20分かかるため、最後は事前の送信に基づき、自動制御に切り替わった。あらかじめ地表に落としていたボールを目印に、機体を傾けて岩をよけながら降下するという難度の高い着陸を成功させたのである。

 小惑星は太陽系の「化石」にも例えられる。りゅうぐうが注目されるのは、太陽系ができた46億年前の痕跡をとどめる有機物や水が含まれているとみられるからだ。

 今後最大2回の着陸を試み、地下にある岩石試料の採取にチャレンジする。

 20年12月には試料を地球に持ち帰る予定だ。太陽系の起源や進化、生命誕生の謎を解明する大きな手掛かりとなる可能性を秘めている。研究成果が出ることを期待したい。

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 はやぶさ2は14年12月に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられた。

 太陽の周りを回りながら、18年6月にりゅうぐう付近に到着した。

 当初100メートル四方の平らな場所に着陸する計画だった。だが地表が多くの岩で覆われる困難な環境であることが判明した。機体が岩に当たれば、損傷する危険性があるため、昨年10月の着陸予定を延期していた。

 JAXAのチームは着陸地点の狭さを「甲子園球場からマウンドに変わったイメージだ」と例え、3カ月かけて着陸地点や誘導方法を練り直した。「しつこいほど議論して直前まで確認するしつこさ」が成功の原動力となった。

 はやぶさ2の着陸成功によって日本がリードする小惑星探査の分野が飛躍的な進歩を遂げることになりそうだ。

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 国際的関心も高い。

 米航空宇宙局(NASA)は着陸成功を祝福した。NASAの探査機も別の小惑星「ベンヌ」への着陸と岩石試料の採取を目指しており、23年に地球に帰還する予定だ。JAXAと小惑星の岩石を交換し、データを比較研究する考えである。

 今回のはやぶさ2の着陸技術はNASAから情報提供を求められるほどの高さである。科学立国日本の影が薄くなる中にあって、はやぶさ2の快挙で再び存在感を世界に示してほしい。