社説

社説[きょう県民投票]沖縄の未来選び取ろう

2019年2月24日 08:37

 辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の日を迎えた。

 シングルイシュー(単一争点)の県民投票は、新基地建設という国策に対し民意を明らかにする画期的な機会である。

 「歴史の場」に足を運び、大事な1票を投じてほしい。 都道府県レベルの住民投票は、1996年9月に沖縄で実施されて以来2回目。「米軍基地の整理縮小と日米地位協定の見直し」という抽象的な内容を争点にした前回に対し、今回は辺野古埋め立ての賛否を問い掛けている。

 有権者は約115万人。「賛成」「反対」「どちらでもない」の選択肢のうち、いずれかが4分の1に達するかどうかが焦点だ。きょうの結果が基地政策の方向に大きな影響を与えるのは間違いない。

 改めて投票が持つ意義を確認したい。

 県民は新基地反対の意思を知事選などで再三示してきた。しかしそれでも県民投票に踏み切らざるを得なかったのは、政府がその声を無視し続けているからである。

 2016年9月、辺野古違法確認訴訟判決で福岡高裁那覇支部は「新基地建設に反対する民意に沿わないとしても、普天間飛行場その他の基地負担の軽減を求める民意に反するとはいえない」との判断を示した。あたかも二つの民意があるような言い方で新基地を容認したのだ。

 さらに知事選を含めここ何年かの選挙で国政与党が推す候補は、辺野古について語らない「争点はずし」の戦術を徹底している。

 県民投票はだからこそ必要なのである。

    ■    ■

 名護市辺野古の埋め立て予定区域を巡っては、「マヨネーズ並み」といわれる軟弱地盤の改良工事が広範囲にわたり、そのために打ち込む砂杭(すなぐい)が7万7千本に上るなど、想定外の事態も次々と明らかになっている。

 軟弱地盤の一部は水面下90メートルに及び、施工実績さえない。

 「完成まで13年、総事業費2兆5500億円」という県の試算を、政府は「大げさ」と批判するが、ならば工期や工費について明らかにすべきである。

 県の工事中止要請には一切聞く耳を持たず、説明責任を果たすことなく、県民投票を前にひたすら土砂を投入するという対応は、あまりに不誠実だ。

 県民投票は、安倍政権のこの強硬姿勢を問う選挙でもある。

    ■    ■

 賛否にかかわらず投票所に足を運んでと訴えながら、新基地建設反対県民投票連絡会の若者たちが、沖縄の過去と現在を結ぶ象徴的な場を歩いている。きのう朝、糸満市の魂魄(こんぱく)の塔を出発し、きょう夜、辺野古に到着する予定だ。

 政治学者の丸山真男は「家が住みいいかどうかを判断するのは建築技師ではなくて、その家に住む人間である」との比喩で、民主主義について語っている。

 沖縄の将来をどう描くかという意味では、とりわけ若い世代にとって重要な投票である。未来は私たちの手に委ねられている。

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