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そもそも辺野古(13)なぜ県民全体に問うの? →県内移設は危険性を固定化

2019年2月24日 09:53

 普天間飛行場の名護市辺野古移設について「条件付きとはいえ、辺野古の住民が容認するなら移設すればいい」「被害を受けている宜野湾市民の立場になれば移設するしかない」と「当事者間の問題」とする意見が少なくない。では、なぜ県民全体に移設の是非を問う県民投票が必要なのだろうか。

県内の米軍施設にあるヘリパッド

 普天間飛行場での米軍航空機の離着陸回数は年間1万~1万5千回程度で推移している。2017年12月には周辺の保育園と小学校に普天間所属ヘリコプターの部品が相次いで落下するなど、その危険性が改めて浮き彫りになった。

 ただ、飛行場を飛び立った後、海の上空で訓練する空軍機に比べ、海兵隊のヘリやオスプレイは、強襲揚陸を想定した訓練など陸上での活動が多い。

 米軍によると、県内米軍施設内のヘリ着陸帯(ヘリパッド)は88カ所。うち北部訓練場15カ所、キャンプ・ハンセンやシュワブなど中部訓練場32カ所、伊江島6カ所の「戦術着陸帯」では、オスプレイだけでも年間2万回の使用を想定する。CH53EやAH1Zなどの別のヘリを含めるとさらにその数は膨らむ。隊員や物資をつり下げた訓練、夜間飛行が頻繁に実施され、事故への不安が増す。

 1972年の復帰以降、普天間を離陸した航空機の墜落事故は少なくとも17件発生。80年と94年の普天間飛行場内、2004年の沖縄国際大学内への墜落を除く14件は、宜野湾市外で起きている。

 16年12月の名護市安部へのオスプレイ墜落以降、東村高江ではCH53Eヘリが不時着、炎上したほか、読谷村、伊江島、伊計島、久米島、渡嘉敷島、石垣島などで不時着や緊急着陸が繰り返されてきた。

 つまり、普天間が辺野古へ移設されても、ヘリパッドでの訓練は続き、その危険性は変わりない。

 国土面積の0・6%にすぎない沖縄に在日米軍専用施設面積の70・3%が集中する状況で、政府は航空部隊と地上部隊を切り離すことはできないという理由で、県内移設を条件に普天間返還計画を進めてきた。

 航空部隊が残れば、その他の地上部隊の施設、区域も引き続き使用されることになる。事件、事故の危険性のほか、騒音被害などの負担も固定化される可能性があり、宜野湾市と名護市の点と点ではなく、県全体の問題といえそうだ。(政経部・福元大輔)

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