政府が沖縄県と2014年2月に約束した米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止は28日で期限となった。5年間では宜野湾市内の保育園、小学校へのヘリの部品落下など事故が相次いだ。安倍晋三首相は当時の仲井真弘多知事との約束を実現しておらず、危険性除去の遅れの責任が問われる。
菅義偉官房長官は「名護市辺野古移設で地元の協力が前提条件だった」と述べ、翁長雄志前知事の埋め立て承認取り消しなどがあったため「実現が難しい」としている。一方、政府と約束をした当時の仲井真県政は辺野古の進捗(しんちょく)にかかわらず5年以内の停止を求めており、政府は辺野古反対の県政に責任を転嫁している。
安倍首相は13年12月に仲井真元知事が埋め立てを承認する際に5年以内の運用停止を約束。政府、県、国でつくる負担軽減推進会議で起点を14年2月とすることを確認。県と政府は期限を19年2月末としていた。政府、県、宜野湾市の主張や取り組みをまとめた。
■国の主張「辺野古移設が前提」
岩屋毅防衛相は26日の記者会見で「5年以内(運用停止)は実現が事実上できなくなった」と話した。「(米軍普天間飛行場の)辺野古移設について地元の協力が得られるというのが当時、前提だった」と主張し、県に埋め立て承認を取り消されたり、撤回されたりしたことを実現できなかった理由に挙げた。
「新たに国と県の双方が移設が完了するまでの間、普天間飛行場の危険除去について認識を共有できるような環境をつくっていくことが大事だ」と述べ、あくまで「辺野古移設」を前提として危険性の除去を検討する考えを示した。
「県への責任転嫁」と指摘されていることに対しては「政府もさまざまな紆余曲折(うよきょくせつ)があって方針がダッチロールした(ぶれた)」と、「最低でも県外」を打ち出しながらも辺野古に回帰した民主政権を引き合いに釈明した。
■県の立場「新基地建設とは別」
安倍晋三首相と米軍普天間飛行場の運用停止を約束した仲井真弘多元知事は、名護市辺野古の新基地建設と切り離して実現を求めてきた。翁長雄志前知事、玉城デニー知事も同様の考えで、2019年2月までに政府の責任で運用停止を実現するよう首相や関係閣僚との面談で重ねて要請している。
仮に辺野古が進まないため運用停止が実現しないとしても、県弁護団は工事の遅れについて、埋め立て承認申請の段階で軟弱地盤などを予想せず、工事全体の設計書を出していない政府の「見切り発車」が原因と指摘する。
承認時の計画で埋め立ては5年で終了するとしているが、承認後に見つかった軟弱地盤が原因で大浦湾側の設計はいまだに示されていない。軟弱地盤の改良工事は工期や工事費がいまだ不透明のため、普天間の危険性は放置され続けることになる。
宜野湾市「推進会議の開催を」
5年以内の運用停止の期限を迎え、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は「非常に残念ではある。この5年は何だったのかと疑問も感じる」と落胆した。
「5年以内」の約束が交わされた同飛行場負担軽減推進会議は2016年7月以来開かれておらず、「政治的アクションを起こせる推進会議が開かれなければ、大きな課題は解決しようがない」と振り返る。
玉城デニー知事は就任後、一度も普天間を視察していないことに「知事は言葉の端々に普天間の『負担軽減』『危険性除去』をちりばめているが、熱意、覚悟は非常に薄く感じられる」と県政へ不満も漏らした。
普天間の運用停止、返還について「物理的に無理だからよしとするのではなく、具体的にどう方策が打てるのか、国、県、市の協議が必要だ」と早期の同会議開催を訴えた。














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