県立高校で3月1日、一斉に卒業式がある。沖縄盲学校高等部を卒業する佐野七奈さん(18)は、4月からコーヒーチェーン大手の「スターバックス」で社会人としての一歩を踏み出す。昨年同店でのインターンシップに挑戦し、仕事ぶりが評価されて就職が決まった。「お店は私にとって新しい大切な居場所。盲学校で学んだことを忘れず頑張りたい」と笑顔を見せる。夢はコーヒーの魅力を伝えるコーヒーマスターだ。

就職を目指し、進路指導の湧武真也教諭(右)と何度も課題を話し合ってきた佐野七奈さん=26日、南風原町・沖縄盲学校

 佐野さんは東京や静岡の特別支援学校に通っていたが、母・順子さんがダンスや音楽が好きな娘に伸び伸び学んでもらおうと、中3の時に沖縄に移住して同校に転入した。

 学校ではクラスのムードメーカーとして文化祭をまとめ、現代版組踊や三線クラブにもチャレンジしてきた。人と関わることが好きで、次第に接客業への就職を希望するようになった。

 3年に上がった頃、スターバックスが特別支援学校の生徒を対象にインターンシップを募集すること知り「ぜひやってみたい」と応募。6月と10月の数週間、読谷店で研修した。

 左目は視力がなく、右目は弱視。「ハサミなど器具の使い方が難しい」と言うが、「お客さんとのやりとりが楽しい。コーヒーは飲んだことがなかったけど、テイスティングをしていたら大好きになった」と笑う。「ハチミツの味」「煙っぽいにおい」「酸っぱい感じ」など、味わいやにおいへの表現が抜群だと店側から太鼓判を押された。

 インターンシップでは、明るいあいさつや素直さ、何でも質問する姿勢が評価され1月に内定。4月から読谷店で勤務する予定だ。

 同校高等部普通科卒業生の一般企業への就職は5年ぶり。進路指導の湧武真也教諭は「後輩たちの刺激になっている。持ち前の明るさで頑張ってほしい」とエールを送った。(社会部・渡慶次佐和)