きのう、ほとんどの県立高校で卒業式があった。ことしの卒業生は1万3702人。進学や就職で親元を離れる人もおり、それぞれが新たな道へと歩みだす

▼74期生398人が晴れの日を迎えたコザ高校を取材した。待ち受けるであろう困難な壁も乗り越えようという卒業生の意欲に触れた。その一方で脇役である在校生にとっても、この卒業式が大きな飛躍の機会であると強く感じた

▼式の準備は生徒会の2年生を中心に2カ月ほど前から始まった。ここ数週間は早朝から夜まで汗を流した。当日も駐車場の案内から卒業生の歩みを振り返る資料の配布などで積極的に働く姿が印象的だった

▼40年ほど続くコザ高校伝統の「卒業の歌」も大きな仕事だ。生徒が作詞・作曲した歌を全校生徒の投票で一つに選ぶ。このすべてを在校生がとりしきった。ことしは卒業生5人組による歌「3月1日」が選ばれ、祝賀会で披露されると感動を呼んだ

▼2年生で生徒会長の伊波利奏さんは「先輩方が残した伝統をしっかりと引き継ぐ」と送辞で述べた。「思い出に残る卒業式を成功させたい」という一心で頑張った結果が最上級生への自覚につながるのだろう

▼目の前のやるべきことを地道に懸命に積み重ね、年齢や立場に応じた役割を引き継ぐことで、伝統はつくられるものだと教えられた。(溝井洋輔)