職場の近くを歩いていると後ろから「ガラガラガラ」と大きな音がした。振り向くと台車に大きな段ボールを乗せた人が歩いてくる。道を譲ると「ありがとうございます」と会釈をし、追い抜いていった

▼ところが、数メートル先の男性は全くよける気配がない。何度か声を掛けられ、驚いた様子で飛びのいた。耳にはワイヤレスの小さなイヤホン

▼インターネット調査会社のアンケートによると、ワイヤレスのイヤホンなどの利用者の75%がスマホに接続。うち約8割が音楽を聴いている

▼主に利用する場面を聞くと、「電車やバスでの移動中」「歩きながら」などが4~5割。先のケースは台車だったが、自動車が近づく音に気付かないと危険が伴う

▼これが車の運転中だと、県道路交通法施行細則に抵触する恐れもある。12条で大音量でヘッドホンやイヤホンで音楽を聴くなど、安全に必要な音が聞こえない状態で運転をしてはいけないと定めているからだ

▼イヤホンが聴力にダメージを与えることは以前から指摘されてきた。世界保健機関は2月、世界の12~35歳の若い世代の半数近い約11億人が難聴になる恐れがあると発表。リスクを避けるため国際基準に合わせた機器の開発を呼び掛けた。安全と健康のため、イヤホンなどの使用方法を改めて見直す必要がありそうだ。きょうは耳の日。(玉城淳)