風しんに対する免疫(抗体)をもたない妊婦が妊娠初期(20週頃まで)に風しんに感染すると生まれてくる赤ちゃんが耳や目、心臓に障害をもつ先天性風しん症候群の可能性があります。特に妊娠10週頃までに感染すると耳のまったく聞こえない子が2人に1人生まれる事をご存知でしょうか。多くの読者は初めて知って驚かれていることと思います。

(イラスト・いらすとや)

 1964年(昭和39年)沖縄県で風しんの大流行があり、408人もの高度難聴の赤ちゃんが生まれました。この子供たちのために県立北城ろう学校が開校したことをご存知の方も多いと思います。映画「遥かなる甲子園」のモデルは、この学校の野球部です。

 ニュースで度々報道されていますが、昨年秋ぐちから関東地方を中心に風しんが大流行しており、今年1月末の時点で全国で2700名余り、県内でも16名の風しん患者が発生しています。埼玉県では先天性風しん症候群の赤ちゃんが生まれています。

 1964年の出来事をくり返さないために、読者の皆さんにぜひ知って頂きたい事があります。

 (1)風しんは予防接種で予防できます(ただし、効果は接種後2~3週たってから)。

 (2)妊娠中は風しんの予防接種は受けられません。

 (3)風しん患者の15~30%の人は無症状なので自分が風しんにかかっていても気づいていない人がいます。

 (4)風しんはインフルエンザの数倍感染力が強いので、隣に風しんの人がいれば感染してしまう可能性があります。

 (5)妊娠を希望する女性は血液検査で風しんに対する抗体価を調べて抗体価が低ければなるべく早く予防接種を受けて下さい。抗体検査に関しては最寄りの保健所に問い合わせて下さい。

 (6)妊娠20週未満の妊婦さんは特別な用がない限り、人混みを避けましょう。

 風しんはかかった本人ではなく、お腹の赤ちゃんにとって怖い病気です。日本の未来を担う赤ちゃんを風しんから守りましょう。(真栄城徳秀 真栄城耳鼻咽喉科)