太平洋戦争中に旧南洋群島(北マリアナ諸島)などで戦渦に巻き込まれた住民や遺族ら40人が国に対して謝罪と1人当たり1100万円の損害賠償を求めた「南洋戦国賠訴訟」の控訴審判決が7日、福岡高裁那覇支部であった。大久保正道裁判長は「大日本帝国憲法下の旧日本軍の戦闘行為について、国は損害賠償責任を負わない」などと請求を退けた一審判決を支持、住民側の控訴を棄却した。住民側は上告する方針。

記者会見で涙を拭う祖堅秀子さん(左)=7日、県庁

住民側は上告の構え

 判決理由で大久保裁判長は、明治憲法下では国の権力的作用や統治権に関する行為は「民法上の不法行為責任を否定する法理が確立していた」と指摘。旧日本軍の加害行為の特異性を考慮したとしても、国の責任を負わせる法的根拠はないとした。

 救済立法を成立させず被害を放置したとの主張には、援護法の適用対象などが拡大していることなどを挙げて反論。憲法が定める法の下の平等には「違反していない」と退けた。

 判決後の会見で柳田虎一郎原告団長(81)は「軍人は補償されたが、民間人は受忍せよという。同じ人間なのに差別だ。全ての戦争被害者が救われる法律を作ってほしい」と話した。