24時間365日、全番組がしまくとぅばで放送されるインターネットラジオ「沖縄しまくとぅば放送局」が開局から5年目を迎えた。県内の文化協会や老人会など110団体が放送。参加団体は「しまくとぅばを次世代に残し、県内外に発信する良いチャンスだ」と取り組みを評価する。運営するクレスト(嘉手納町・池原稔社長)は持続可能な放送を目指して新たな事業も始めている。(中部報道部・大城志織)

「伊是名島郷友会」での収録当時を振り返る(左から)西昇さん、東江粂雄さん、東江清和さん。奥はクレストの前川朝作さん=2月22日、北谷町

今後の展望を語るクレストの池原稔代表=2月19日、嘉手納町の同社

収録当時を振り返る北谷町文化協会の(左から)高宮城清さん、山本長光さん、仲栄真恵美子さん=2月19日、北谷町

「伊是名島郷友会」での収録当時を振り返る(左から)西昇さん、東江粂雄さん、東江清和さん。奥はクレストの前川朝作さん=2月22日、北谷町 今後の展望を語るクレストの池原稔代表=2月19日、嘉手納町の同社 収録当時を振り返る北谷町文化協会の(左から)高宮城清さん、山本長光さん、仲栄真恵美子さん=2月19日、北谷町

 しまくとぅば放送局は2014年5月に開局。曜日ごとに異なる1時間番組12本を、午前と午後の2回、同じ内容を流している。同社にスタジオの設備はなく、レコーダーで数回分を収録したものを繰り返して放送している。

 「『いひゃ じゅーてー』-。フヌ フトゥワヤ、ンジナンチュヌ チムグクル アラワソール フトゥワ ヤビーン(この言葉は、伊是名人の気質を表した言葉です)。タビンチュニ ウトゥイ フィレー スルバスニ、シマヌ ナンクル ナイヌ フルマイ、ククルハラ ユルクバリル ウトゥイ ムチニ、カン チワミティガ ヤビラ(旅人への接し方で、何げない自然な振る舞い方、人情味あふれるもてなし方に感激したのか)、ウヌ シザマル『イヒャ ジューテー』ンディヌ フェー フトゥワ ナヤーイ ナマヌ ユーマデン チテーラリ ヨービーン(その風情を『いひゃじゅーてー』という言い回しの言葉となって今に伝わっているのです)」。

 金曜日に放送している伊是名島郷友会。伊是名の歴史や行事から、島で語り継がれている言葉などを紹介。収録は14年に実施した。伊是名村観光アドバイザーの西昇さん(72)は「大昔から伝えられてきた言葉を大切に残していかないといけない。伊是名のちゃんとしたしまくとぅばを後世に引き継ぐとともに、広く島を紹介できたら、という思いで始めた」と振り返る。今後の収録については「きちんと情報を調べてから(しまくとぅばに)翻訳する必要がある。今は少し忙しいが、一緒に収録した2人にも協力してもらって今後、取り組めたら」と語った。

 金曜日放送の北谷町文化協会は、町の歴史や町役場の文化財展示室の紹介、会員の「子どもの頃の話」をテーマにしたフリートークなどをしまくとぅばで収録したのを放送。同協会理事で町議の仲栄真恵美子さん(67)らは「学校現場でしまくとぅばを指導できる先生が少ないと感じる。ラジオを学校でも流し、授業などで活用できたらいいのでは」と期待を込める。

 運営するクレストによると、県外や海外のリスナーもおり、「沖縄から米国に渡った70~80代のおばあちゃんが、ラジオを聞いて『懐かしい』と涙を流して聴いていた」という家族の声も寄せられたという。

 同社はラジオの持続と、しまくとぅばの新たな需要創出を目指して、名護親方の「琉球いろは歌」のグッズや、琉歌が刻まれたストラップを扱う自販機の導入を進めている。池原社長(68)は「今までボランティアで運営してきたが、今後はラジオの収入源を自販機の売り上げで捻出できたら」と強調。「音源のクオリティーを高めるためにも、生放送で放送できるようなスタジオの設置などもゆくゆくは考えていきたい」と展望を語った。