【郷田まみ通信員】何十年も前に日本からアルゼンチンへと渡った移民たちが、郷土から大切に持ってきたものを見つめ直し、そこから想起される「記憶」や聞こえてくる「語り」に耳を傾けてみようという試みがこのほど、ブエノスアイレスであった。

 Douzoロカモラギャラリーで開かれた展示会では、ギャラリーオーナーで芸術家のイグナシオ・チコさんとブロガーのソレ・ウチマさんのキュレーションにより、日系家族の思い出の品9点が展示された。

 移民1世を祖父母に持つ若者らは、ふと家で見つけた家族の象徴的な思い出の品を提供した。四つ竹を展示したマユミ・ヒガさんは「おばあちゃんが琉球舞踊をしていたことは聞いたこともなかった。でも、沖縄から使い込んだ四つ竹をアルゼンチンまで持ってきて大切に取っていた」と語った。マルティン・ニイカドさんの三線は蛇皮が破れたまま保管されていた。

 ほかにウチマさんの「サザエの急須」と「かつお節削り器」、サユリ・エステファニア・アラカキさんの「弁当箱」などが並んだ。

 アルゼンチンと日本の国交樹立120周年を記念し、多くのイベントを開催してきた在アルゼンチン日本大使館、ブエノスアイレスの東洋美術館の後援を得て展示が実現した。

(写図説明)マユミ・ヒガさんが提供した祖母の思い出の品の四つ竹