沖縄ライフスタイルアドバイザー 玉城久美子さん(41)=那覇市出身

 沖縄食材を使った料理教室、レシピ考案のほか、イベントの企画立案やコラム執筆など、多面的に沖縄の食と食文化の発信を行う。「私の活動を通して日常に“沖縄の風”を取り入れてもらえれば」。その裾野は日々広がっている。

「自分の味覚は幼少期の家庭料理で養われた」と語る玉城久美子さん=東京都内の自宅

 今年1月に都内の日本酒バーと共催した料理イベント。豆腐ようのディップソースを用いた野菜のオードブルや、みそ味仕立てのモズクを包んだ春巻きなど、「体にも優しい」をコンセプトにした創作料理を振る舞った。

 参加者からの「沖縄料理が身近に感じられた。家でも作ってみたい」という声に、「例えばタコライスも、現在では沖縄を代表する料理の一つ。素材からきちんと調理すれば、ヘルシーで栄養価の高い一品になる。料理が生まれた背景も伝えることで、より沖縄のことを知ってもらえる」と手応えを語る。

 大学卒業後、国内大手ホテルチェーンに就職。現場業務を経て就いた本社のマーケティング部門では、イベント運営や新規店舗の立ち上げに携わり、北海道から沖縄まで全国を飛び回った。多忙だが充実した日々。一方で「自分が生み出した仕事で直接顧客を喜ばせたい」との思いも募った。

 結婚を機に、13年勤めた職場を退社。食への興味が強かったこともあり、料理教室を始めた。他者との差別化をいかに図るか。独学で沖縄の歴史を研究し、ボランティアガイドをする祖父の顔が浮かんだ。「沖縄の地理的・歴史的な背景があってこその食文化。ならば人の生活に潤いをもたらす情報を発信していこう」

 沖縄食材を身近に感じてもらうためのレシピ考案や、バイヤー向け商談会への参画。県の「沖縄国際物流ハブ活用推進事業」に一部参画するなど、活動の場は飛躍的に広がった。「ホテルでのマーケティングの経験が役に立っている。でも根本はガチマヤー(食いしん坊)なので」と笑う。

 沖縄帰省のたびに、生活スタイルの変化や食への志向など、移り変わりを目の当たりにする。「沖縄は諸外国から良いものを取り入れ沖縄流にアレンジしてきた文化がある。伝統を守りつつ新しい風が入ることは必然」。

 定期的に開く「沖縄料理を作ろう会」では伝統的な琉球料理に加え、沖縄食材に創意工夫を加えたレシピが学べると、予約で埋まる。「料理教室は継続しつつ、今後は生産者と消費者とをつなげる施策があっても面白い」。豊かな発想でこれからも沖縄の食と文化を発信していく。(小笠原大介東京通信員)=連載・アクロス沖縄<103>

 【プロフィール】たまき・くみこ 1977年、那覇市生まれ。昭和薬科大付属高校卒業後、横浜国立大学を経て東急ホテルズに13年間勤務。料飲部、ブライダル部、マーケティング部を経験した。退社後は沖縄の食文化を軸に、イベント企画やコラム執筆など沖縄ライフスタイルアドバイザーとして活動する。沖縄スーパーフード協会会員。