日本の国土全体の0.6%にすぎない沖縄県に、在日米軍専用施設の約70%が集中している。33の米軍施設の中には、市街地の中心に位置する基地もある。沖縄本島の18.2%を米軍基地が占めている。
沖縄にある米軍施設から、ニュースなどでよく取り上げられる代表的な施設を紹介する。(参考資料:沖縄県知事公室基地対策課「沖縄の米軍基地(平成30年12月)」、沖縄タイムス紙面記事)
嘉手納基地
所在地 | 嘉手納町、沖縄市、北谷町 |
面積 | 19855千㎡ |
使用開始 | 1945年(昭和20年) |
管理 | 空軍第18航空団 |
滑走路 | 2本(全長3689m×幅91m、全長3689m×幅61m) |
使用部隊 | 空軍第18航空団配下の各部隊、在沖米海軍艦隊活動司令部、陸軍第1防空砲兵大隊第1大隊など |
おもな常駐機 | F15戦闘機、KC135空中給油機、E3早期警戒管制機、MC130特殊作戦機、HH60救難ヘリ、P8哨戒機 |
極東最大の米空軍基地。1944年に旧日本軍が建設した中飛行場を拡張、嘉手納町、北谷町、沖縄市にまたがる。敷地の南東側は居住地区となっている。
常駐機のほか飛来機の飛行訓練、住宅地に近い駐機場でのエンジン調整により、周辺住民は深刻な騒音にさらされている。沖縄県などが周辺で1995年度から継続している4測定局での騒音測定では、全測定局で2017年度まで23年連続で「うるささ指数(W値)」の環境基準値を超過している。遮音壁の設置や、住宅地に近かった海軍機の運用・支援施設を移転するなどの騒音対策がなされているが、夜間・早朝の離着陸など今も影響を受けている。
空軍、海軍の約100機が常駐するほか、空母艦載機や他基地の所属機も飛来する。防空、反撃、偵察、機体整備などの役割を担う。パトリオット(ペトリオット)ミサイルを擁する、弾道ミサイル防衛を担う陸軍の防空部隊も駐屯する。
普天間飛行場
所在地 | 宜野湾市 |
宜野湾市 | 4806千㎡ |
使用開始 | 1945年(昭和20年) |
管理 | 海兵隊 |
滑走路 | 全長2730m×幅46m |
使用部隊 | 海兵隊第36海兵航空群(第1海兵航空団配下) |
おもな常駐機 | MV22輸送機、CH53E輸送ヘリ、UH1Y汎用ヘリ、AH1Z攻撃ヘリなど |
宜野湾市の中心にあるアメリカ海兵隊の航空基地。市域の約25%を占めており、基地を取り囲むように住宅や学校、公共施設が立ち並ぶ。2004年8月、同基地に隣接する沖縄国際大学構内にCH53D大型輸送ヘリが墜落したほか、2017年12月には同基地に隣接する普天間第二小学校にCH53E大型輸送ヘリの窓が落下した。
日米両政府は1996年に普天間飛行場の返還に合意したが、移設を条件としており、実現していない。
MV22オスプレイ輸送機やCH53E大型輸送ヘリなどが駐留しており、県内外での訓練のほか、強襲揚陸艦とともに行動している。
嘉手納弾薬庫地区
所在地 | 嘉手納町、沖縄市、読谷村、うるま市、恩納村 |
面積 | 26585千㎡ |
使用開始 | 1945年(昭和20年) |
管理 | 空軍第18航空団第18任務支援群司令部、海兵隊キャンプ・バトラー基地司令部 |
使用部隊 | 空軍第18航空団第18整備群、米軍運輸管理部隊など |
嘉手納基地に隣接する森林地帯に広がる、米4軍の弾薬の貯蔵・整備をする施設。空軍と海兵隊が管理。弾薬庫と支援施設がある。
発煙装置やGBS(爆発模擬装置)を使った基地修復訓練が施設内で実施され、煙が民間地域に流れ込んだことがある。