コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、24時間営業の見直しに向けた実験を始める。一部店舗で営業時間を店名の由来でもある「午前7時から午後11時」に短縮し、利便性や売り上げ、作業効率などを検証する。

 慢性的な人手不足に悩む加盟店オーナーの要望に背中を押された形だが、24時間社会を前提とした私たちの暮らしにも一石を投じる取り組みだ。

 セブンは1974年の1号店オープンから日本のコンビニ文化を創り上げてきた業界の雄である。翌75年から24時間営業を始め、コンビニ他社も追随し、成長を続けてきた。

 その「便利さ至上主義」の象徴ともいえる24時間システムに疑問を投げ掛けたのが、大阪府東大阪市の加盟店オーナー。「求人を出してもアルバイトが集まらない」「8カ月間で3日しか休みが取れていない」など労働の過酷さから、深夜帯を除いた19時間営業に踏み切ったのだ。

 これに対しセブン本部は違約金とフランチャイズ(FC)契約の解除を求めている。ただ今回、時短実験に乗り出さざるを得なかったのは、現場の疲弊感と見直しを求める声の広がりを無視できなかったからだろう。

 コンビニオーナーでつくる団体は先月末、本部側に24時間営業の見直しに関する交渉を申し入れた。

 全国どこでも「24時間365日」という店舗運営は、曲がり角に差し掛かっている。

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 日本フランチャイズチェーン協会によると全国のコンビニ店舗数は5万5千を超え、2018年の売上高は約11兆円に上る。

 おにぎりや飲み物を買うだけでなく、ATMでお金を引き出し、公共料金を支払い、宅配便を頼み、災害時には物資提供の拠点となる-地域になくてはならない社会インフラであることは間違いない。

 だからこそ、いつも開いている安心感が重要だというのも理解できるが、個々の事情を抱えるオーナーに公共的機能まで全て負わせるのは酷ではないか。

 コンビニオーナーの団体は「商圏や客層によって24時間営業が必要ない店舗もある」と訴えている。

 エリアごとに中核コンビニを置き役割を集中させたり、立地条件により営業時間を変えたりする工夫はできるはずだ。持続可能な仕組みを模索すべきである。

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 24時間営業の見直しは外食産業で先行している。県内でもファミリーレストラン「ジョイフル」を運営するサンエーが8店舗の深夜営業を近くやめると発表したばかりだ。

 宅配便の配達時間見直しによるサービス縮小も相次ぐ。休業を拡大し初売り日程をずらす百貨店もある。

 もちろん人手不足や働く環境の改善といった理由は大きい。他方、過剰サービスを見直そうとの流れは、消費者のライフスタイルの変化、環境問題への関心とも深く結び付いている。ひたすら便利さを追い求めてきた暮らしと向き合う時だ。