就学時健診とは、次年度、小学校に入学予定の児童の健康診断のことを言います。例年、10月後半から11月後半に行われます。

イラスト・いらすとや

 就学義務のある児童に対し、市町村の教育委員会は学校保健安全法第11条によって「翌学年の就学させるべき者は、就学にあたって、その健康診断を受けなければならない」と定められています。よって、就学時健診は就学前に済ませなければいけません。

 医科においては、全身の栄養状態から疾病の有無や異常、視力・聴力・眼・耳鼻咽喉疾患・皮膚疾患をチェックします。

 歯科においては、歯や口腔(こうくう)の疾病や異常の有無(むし歯、歯周疾患、不正咬合(こうごう)、その他の疾病や異常など)のチェックが行われます。今回は歯科の観点から説明します。

 健診時は、顔の対称性、お口を開ける際のあごの運動、顎(がく)関節音の有無などに始まり、むし歯、歯の欠損、歯の異常、歯並びなどを確認します。

 次に歯周病の有無ですが、児童は大人と違い、歯根膜や歯槽骨が破壊される「歯周炎」の前段階である「歯肉炎」が主です。原因の多くが歯みがき不足で、歯垢(しこう)(プラーク)や歯石により、歯肉に炎症が起こっている状態です。

 就学前の児童は年齢が5歳で、全てが乳歯か一部永久歯が生えた、いわゆる混合歯列です。この混合歯列期は歯みがきが難しく、本人に磨かせた後に、仕上げは大人が行うようにすると歯肉炎は予防できます。また、この健診において、う蝕(むし歯)多発傾向の児童のチェックも行い、時には付き添いの家族の方に歯科医院への受診勧告を行うこともあります。

 限られた健診時間で全ての項目をチェックするのは大変ですが、これも新入学のお子様が入学後に健やかに過ごされ、ご家族もその成長を見守れるよう、私たち医師・歯科医師も奮闘している日々です。(高良政憲 高良歯科医院)