アンケートに寄せられた保護者や子どもたちの声

 沖縄県内の子どもの貧困問題の解消を目的に設立した「沖縄こども未来プロジェクト」(代表・武富和彦沖縄タイムス社社長)は、非課税世帯の小学校・中学校に入学する児童・生徒を対象にした2018年度「入学応援給付金」で、2月8日までに計629人(小学校294人・中学校335人)に総額2222万円を給付した。

 17年度と合わせた2年間の給付累計額は4540万円(1285人)。事業は企業や個人から寄せられた寄付金が原資となっている。継続的に支援を続ける企業・個人サポーター、給付を受けた親子の声などを紹介する。

629人に2222万円給付

 本年度の募集(18年10月10日~11月16日)には小学校入学364人、中学校入学472人の計836人の応募があった。沖縄タイムス紙面やホームページ、SNSなどで告知したほか、県内全市町村教育委員会、県社会福祉協議会(児童委員民生委員協議会)、県母子寡婦福祉連合会などに周知の協力を求めた。

 市町村別で最も多かったのはうるま市の130人で、次いで那覇市122人、宜野湾市99人、沖縄市79人、石垣市57人と続いた。一部の学校や団体では担当者が積極的に対象者に応募を呼び掛けたり、申請書をまとめて郵送したりするなど協力があった。一方で、北部地域や小規模離島からの応募が少なく、周知や申込書の配布方法に課題も残った。

 世帯収入や扶養人数に応じて要件を審査し、運営委員会で内定者715人を決定。非課税証明書などを確認した上、629人に送金した。

 プロジェクト発足は2016年2月で、給付金の原資となる企業や個人サポーターからの寄付残高は3888万円(19年2月時点)。本年度は新小中学生への給付金2222万円のほか、3月中に給付予定の高校入学応援給付金約1千万円で、計3千万円超の支出となる見込み。

 寄付金の推移は、16年度約3千万円、17年度約2550万円、18年度約3500万円(予測)。継続的に支援を続けるためには安定的な寄付収入が不可欠となる。 プロジェクト運営委員会の山内優子委員長は「取り組みをより多くの県民に知ってもらうための方策を考えたい。寄付への協力を呼び掛け、必要な世帯がなくなるまで給付事業を続けたい」と語った。

<喜びの声>

2月の給付「助かる」 息子が新小学1年生・会社員女性

県母子寡婦福祉連合会を介して届いた新品のランドセルと購入した学用品。これ以外にも必要な学用品はまだ多いという=沖縄本島中部

 【中部】鍵盤ハーモニカに体育着、筆箱に筆記用具…。4月に一人息子が小学校に入学する会社員の女性(39)=本島中部在=は3月上旬に大型スーパーに足を運ぶと、買いそろえないといけない学用品の多さを突きつけられた。

 式服や学用机、鉛筆削りなど準備リストに書かれた必要品は埋まらない。初日の買い物だけですでに2万円を超えたので「2月に入金された給付金は本当に助かっている」と話す。

 ひとり親世帯を支援する県マザーズスクエアゆいはぁと中部とつながり、2月まで住宅支援を受けた。「入学応援給付金」を知ることができ、県母子寡婦福祉連合会を介して新品ランドセルが当たったのでなんとか乗り切れそうという。

 それでも入学後の不安は尽きない。夕方までの迎えに間に合わない仕事をしているため学童保育に預ける予定だが、大型連休が終わる5月上旬までの1カ月余で割り増しを含め約4万5千円が必要となる。「お金がないと預けることもできない。お母さんのケアをもっとしてほしい」と願う。

【新小学1年生の保護者】

周りの支え実感/世界が明るくなった

 ■このような機会をつくって頂いた全ての方に感謝します。入学する子のランドセルを購入したいと思います。全ての子育て世代が教育に恵まれた子育てのしやすい豊かな社会になりますように。

 ■娘がほしがっているピカピカの新しいランドセルを買ってあげられます。プロジェクトのおかげで多くの人を幸せな気持ち、笑顔にさせてくれるのですね。感謝の気持ちでいっぱいです。

 ■支援金を入学準備に充てるのはもちろんですが、多くの方々からの支援あってのプロジェクトであること、夢のあることだということも伝えていきたいと思います。感謝の心を忘れずに、いつか世の中の役に立つ大人になってくれればと願いを込めて。

 ■母子家庭だけど「1人じゃない。周りに支えられているんだ」と実感できたし、これからも頑張ろうと幸せな気持ちを頂きました。ステキな給付金ありがとうございました。

 ■子ども2人が小学と中学に入学するので大変だなと思っていました。本来なら子どもの成長がうれしいことなのにお金の面を考えると、手放しでは喜べなくて、そんな自分が悲しくていやでした。ほかにも私のような人がいると思います。このプロジェクトを続けてください。大切に使います。

 ■通学用品の準備のために大切に使わせて頂きます。今回、私たち家族が助けられたように、娘も大きくなったら困っている人に当たり前に手を差し伸べられる大人になってくれるといいなあと思います。このような支え合いの輪が続き、広がっていくことを強く願っています。

わが子にステキなランドセル/心が温かい気持ちに

 ■体調を崩し療養中のため、入学の準備をしてあげられるか心配していました。こういう支援があると聞いた時には光が差したようにうれしかったです。応募するだけでもワクワクして気持ちが前向きになりました。入学式に着る式服や体育着、けんばんハーモニカ、文具類に充てたいと思っています。

 ■年々高騰しているランドセルの金額に驚いていたところ、幼稚園からこのプロジェクトの募集のお知らせがありました。2月の給付という点も「入学までにランドセルを買ってあげられる」とうれしい便りでした。息子の希望する黒色のランドセルを準備してあげたいと思っています。

 ■お顔も知らない方々に助けられて、心が温かい気持ちになっています。制服の購入などに大切に使わせて頂きます。

 ■おかげで、わが子にすてきなランドセルを贈ることができます。深く感謝しています。子どもたちに多くの人々や企業から寄せられた支援金のことを話すと、「優しい人いっぱいだね」とうれしそうにしていました。私たち家族もいつか誰かの役に立てるよう精いっぱいがんばっていきます。

 ■小学校入学という子どもの成長がうれしい反面、金銭的に不安も多かったですが、給付金の内定をいただいて、心が軽くなりました。支援者の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。

 ■母子家庭の私にとって、子どもの入学、卒業とお金のかかる時期は苦しい先の見えない状況です。そんな中、こども未来プロジェクトを知った時は、夢のようでした。真っ暗な世界が明るくなりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

【新小学1年生】

勉強頑張る/ランドセル楽しみ

 ■1ねんせいになったら、べんきょうをがんばります。グレーのランドセルがほしいので、ものすごくたのしみにしています。

 ■ありがとうございます。おべんきょうがんばります。

 ■ランドセルをたいせつにつかいます。ありがとうございます。

 ■たくさんのひとたちをたすけてくれて、ありがとうございます。たいせつにつかっていきます。

 ■サンタさんからのクリスマスプレゼントみたいでした。うれしかったです。

>>「沖縄こども未来プロジェクト」詳細、支援方法はこちら(公式サイト)

問い合わせ先:沖縄こども未来プロジェクト事務局

電話 098(860)3548 メール kodomomirai@okinawatimes.co.jp