津軽の過酷な冬。雪に覆われた真っ白な大地。命の危機を思わす寒さを耐え忍び、つつましやかに生きる人々の、真っ赤に燃える心の炎を、津軽三味線の音色が代弁する。

「津軽のカマリ」

 主人公は津軽三味線の第一人者、初代高橋竹山。夢の職業に就いたわけじゃない。盲目の彼には、三味線しかなかった。三味の音に銭を出させるだけの実力をつけるか、冬の雪原で野垂れ死にするか。

 「津軽のカマリ(匂い)」が湧き出るような音を出したい、と高橋竹山。寒さ、貧困、飢餓、祈り、生命…。はいつくばるように「生」をむさぼった竹山が、あの日吸い込んだ津軽のカマリが、三味線の音に乗る。

 初代亡き後、「竹山」の名の重責に苦しむ2代目の葛藤も合わせて、劇場中に津軽のカマリが漂うドキュメンタリー。監督は、「スケッチ・オブ・ミャーク」の大西功一。(桜坂劇場・下地久美子)

3月23日から桜坂劇場で上映予定