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  • 6年連続で上昇した沖縄の公示地価。好景気のトレンドは当面続くか
  • 一方で住宅購入費の上昇や、家賃は住民が払える水準を超える可能性
  • 観光税を財源にした補助など、住民の不満を低減する政策を求める声も

 沖縄県内の2019年公示地価が6年連続で上昇し、住宅地、商業地、工業地とも全国一の伸び率となった。県内の各シンクタンクは「沖縄経済が好調な表れ」と受け止める。アパート投資に関する融資は県内でも厳しくなっているが、ホテルやコンビニの進出で商業地の実需が拡大し、地価上昇は今後も続くとみる。一方、10月の消費増税が転機となる可能性や、持ち家が確保しにくくなったり、地価に引っ張られる形で家賃や税金が上がり県民生活に悪影響が出る懸念も聞かれた。

商業地で18年連続最高価格となった那覇市久茂地3丁目の日本生命那覇ビル付近=19日

市町村別の地価変動率(対2018年比)

商業地で18年連続最高価格となった那覇市久茂地3丁目の日本生命那覇ビル付近=19日
市町村別の地価変動率(対2018年比)

雇用改善が支え

 りゅうぎん総合研究所の久高豊専務は、住宅地の需要について、県内就業者が12年から復帰後最長の7年連続で毎年平均1万2千人余り増加するなどの雇用改善が支えになっていると分析する。地価は今後も上昇傾向と予測するが「消費増税が好調な県経済に悪影響を与えれば、転機となりかねない」と警戒する。

 また、将来、沖縄が世界のリゾート地としてハワイのように世界中から投資を集めるようになれば、その影響で家賃が住民の支払える水準を超えて高くなると指摘。「観光税を財源に家賃を補助するなど、観光に対する住民の不満度を低減する住宅政策が必要になるかもしれない」と話した。

今後も上昇続く

 おきぎん経済研究所の東川平信雄社長は、観光産業が好調な中で、那覇空港の第2滑走路、クルーズ船ターミナル、モノレール延伸などのインフラ整備が進むため「地価の上昇は当面の間続く」とみる。不動産を売る側や不動産を担保に借り入れをする側にはメリットがあるものの「一般県民の生活面のデメリットも無視できない」と指摘。自宅の購入費、賃貸物件の家賃、固定資産税や相続税などの負担増を挙げた。

住宅価格も上昇

 海邦総研の比嘉明彦地域経済調査部長は、地価の下落地点が住宅地と工業地はゼロ、商業地でも1カ所にとどまっていることに着目。「地価の上昇は都市部だけでなく周辺地域にまで確実に広がりつつある。景気も好調であることから、しばらくは地価の上昇トレンドが持続するだろう」と話す。

 住宅は、地価に加えて人件費や資材価格も上がっているため、販売価格の上昇が続くと予測。主流の鉄筋コンクリート住宅よりも、比較的建築費が安い木造住宅が今後も注目されるだろうと分析した。