7月からの新シーズンを休養する意向を明らかにしたフィギュアスケートの浅田真央さんと、危険な薬物に手を染めた人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者がニュースをにぎわせている

▼プレッシャーへの向き合い方が、人生や周りの受け止めを大きくたがえたとも言えそうだ

▼ソチ五輪の6位から奮起し、3月の世界選手権で優勝。銀盤の女王として背負い続けてきた期待と、ライバルとの競争のプレッシャーをばねにして、勝ち取った栄冠であっただろう

▼「体も気持ちも少しお休みすることに決めました」と真央さん。血のにじむ努力の連続は、23歳の心身に相当こたえたに違いない。「ゆっくりお休み」と見守りたくなるのが人情だろう

▼かたや、ASKA容疑者はどうか。白い粉で身を汚し、ファンをがっかりさせた。過去の絶頂期にとらわれ、ヒット曲が出せないプレッシャーをクスリで紛らわせたとか。かつての超人気スターが今や、凡人にも後れてしまった

▼警察庁によると、50歳以上の覚せい剤使用者の摘発が増えている。仕事の成果への焦りやライバルに超される恐怖心もその背景にあるという。短い休養を惜しんだ末に、長く後悔に泣くようでは元も子もない。重圧に疲れたら、真央さんにならい、立ち止まって休むといい。(宮城栄作)