沖縄戦で亡くなった日本兵とみられる、ほぼ一体がそろった遺骨が見つかった。20年近く収集ボランティアを続けている青森県の報道写真家浜田哲二さん(56)と妻の律子さん(54)、一緒に活動する沖縄県外の大学生らが糸満市にある日本軍の壕跡で掘り起こした。学生たちは昨年、手弁当で全国各地の戦没者遺族を訪ね歩く活動への協力を求め、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングを活用。170万円の支援を得た。(社会部・新垣綾子)

戦死した日本兵とみられる遺骨を前に涙を流す「みらいを紡ぐボランティア」のメンバー=8日、糸満市内(浜田哲二さん撮影)

下半身に激しい衝撃

 遺骨は16日、県平和祈念財団の戦没者遺骨収集情報センターに託した。

 収集現場は丘の中腹にある、総延長約60メートルの大規模な陣地壕。堆積土砂や戦後のごみで埋まった壕口付近にあった。第24師団歩兵第32連隊所属の兵士の可能性があり、頭部は大きな岩の下敷きになって砕け、大腿(だいたい)骨も折れて左足の骨が吹き飛んでいた。

 浜田さんは「近くで爆弾が爆発して岩が崩れ落ち、下半身にかなり激しい衝撃を受けたのではないか」と推測する。周辺には手りゅう弾や地下足袋の一部、碁石などもあったが、身元の特定につながるような遺留品は見つかっていない。

「怖かっただろうな」

 学生たちは「みらいを紡ぐボランティア」の名で戦没者遺族らに遺品を返還してきた。中央大学4年の高木乃梨子さん(22)は、遺骨収集で堆積土砂の中から幼い沖縄の子どもとみられる背骨やあばら骨の一部を見つけ「どうしてこんな所にいるのか、怖かっただろうなと思うと胸がいっぱいになった」と涙ぐんだ。

 この壕では1945年8月末まで部隊がとどまっていたとの記録があり、同ボランティアは他にも遺骨が残されている可能性があるとして収集活動を続ける。