中城村の津嘉山恵子さん(41)は具だくさんの「うちなぁ味噌汁」作りの親子食育教室を開いている。添加物を使わない天然醸造みそに島豆腐や多くの野菜、豚肉、今なら旬のアーサも加える

▼調理が簡単で材料費は安い。子どもが作り方を覚えれば将来の生きる力につながる。恵子さんの肩書は琉球料理伝承人。夫で加工食品診断士の朝則さん(57)と先人の知恵を生かした健康長寿の復活を目指す

▼恵子さんの食の原点は祖母と暮らした糸満での幼少時代。疲れた時は「くんち(根気)つけようね」とチムシンジ汁を出してくれた。豚レバーに島にんじんとニラ。鉄分やミネラルなど栄養価の高さは理にかなう

▼加工食品を多くとることへの影響などを憂う夫婦に最近、新たな懸念が加わった。遺伝子を改変できるゲノム編集技術を使った食品が夏にも市場に流通されると発表されたからだ。アミノ酸が15倍のトマトや収量が多いイネなど開発が進む

▼新たな技術の安全性に対する消費者の懸念は残る。筋肉量1・2倍のマダイの写真を見ると遺伝子操作への底知れぬ不安も感じる

▼恵子さんは食の安全と合わせ、かむことの効能も伝える。「ありがとうございます」の10文字を頭に浮かべ3回繰り返すと目標の30回になる。自然の恵みへの感謝と、選択する力をつけることが今の時代に求められる。(溝井洋輔)