22日に那覇市立高良小学校を卒業した黒木駿さん(12)は、憧れの兄・優斗さん(18)のお下がりのランドセルを6年間使い切った。本土からの引っ越しや肩ベルトが切れたり、前ポケットの剥がれたりするなど何度も「買い替えの危機」をくぐり抜け、兄弟に12年間背負われてきたランドセル。駿さんは「お兄ちゃんのランドセルを最後まで使えてうれしい」とはにかんだ。(社会部・宮里美紀)

兄から引き継ぎ12年間使い切ったランドセルを背負う黒木駿さん(中央)、父の敏仁さん、母の和佳さん=22日、那覇市高良・高良小

 ランドセルは父方の祖父母が兄の優斗さんの小学校入学祝いに贈ったもの。幼い頃から「野球が上手でかっこいい」兄を慕っていた駿さんは、石川県の小学校に入学する時に新品を買うか両親から聞かれても「お兄ちゃんのをそのまま使う」と希望した。

 4年生で高良小に転校する時にランドセルも一緒に引っ越した。同級生のランドセルより一回り小さいため、A4ファイルは手で持ち歩いたことも。6年生になると、まず左の肩ベルトがブツリとちぎれ、右の肩ベルト、前ポケットと次々と壊れだした。友人に「なんかボロくねー?」と言われても「これ、お兄ちゃんも使ってたから」とむしろ自慢げに答えた。

 「いつ買い替えてほしいって言うかな、と内心思っていた」と打ち明けるのは母の和佳さん(39)。「でも持ち前の明るさで卒業まで持ち続けてくれた」と笑顔。ランドセルが破れるたびに、たこ糸で縫って修理した自衛隊員の父敏仁さん(43)は「物を大切にしてくれた」とうれしそうに話した。