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「観光客とヤることしか考えてません」 掲示板に卑劣な書き込み 判決後も続く中傷

2019年4月5日 21:00

◆幻想のメディア SNSの民主主義(22)第2部 配信の仕組み

インターネット上で受けた誹謗中傷による被害を語る男性=15日、那覇市内

インターネット上で受けた誹謗中傷による被害を語る男性=15日、那覇市内

 今年1月、インターネット上の匿名掲示板で、在日韓国人の男性(35)=沖縄県石垣市在住=を誹謗(ひぼう)中傷し名誉を傷つけたとして、石垣簡裁が市内に住む男性2人に罰金10万円の略式命令を出した。ネットで広がるヘイトスピーチに警鐘を鳴らした。

 〈観光客の女とヤることしか考えてません。在日だから当然か〉

 ネットの掲示板で男性を名指しした中傷が書き込まれるようになったのは2016年ごろ。気付いたきっかけは、その2年前に男性が市内で起業した総合マリンサービスの客の「ネットで悪口が書かれているよ」という一言だった。

 書き込みは匿名だったが、内容から同じ市内の複数人が関与していると感じ、男性はすぐに八重山署に相談した。

 中傷には男性の会社についてのいわれのない批判もあった。順調だった客足が次第に遠のき、会社の売り上げは10分の1近くまで激減した。男性は「ネットの書き込みを見て客が引いたんだと思う。中傷されること自体も悔しかったが、生活に影響が出たことが一番苦しかった」と振り返る。

 起訴された2人に賠償命令が出たのは19年1月。しかしその後も匿名掲示板の男性に関する項目「スレッド(スレ)」は残されたままだ。

 〈このスレに書いたらヘイトで名誉毀損(きそん)で損害賠償されますよ!(中略)決して炎上商法には要注意!笑笑!〉

 判決後も、男性をやゆする投稿は続いている。男性は「スレが埋もれないように、定期的に投稿が更新されているのではないか」と推測する。「ヘイトスピーチを広げるのは、軽い気持ちでネットに書き込む、その他大勢の人たちだ」と憤る。

 本紙は、男性を誹謗中傷する投稿をした1人に取材を試みたが、受けてはもらえなかった。

 ネット上での在日コリアンに対するヘイトスピーチに詳しい神奈川大学非常勤講師の高史明さん(社会心理学)によると、日韓ワールドカップや日朝首脳会談が実施された02年ごろから匿名掲示板で差別的な投稿が確認されるようになったという。

 SNSの一つ「ツイッター」では18年から、差別的な言動に対する規制が厳しくなった一方、こうした匿名掲示板は今も野放しだ。高さんは「ネット上のヘイトスピーチ対策の法規制をより強化していくべきではないか」と話した。(「幻想のメディア」取材班)

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gensou@okinawatimes.co.jp
社会部FAX098(860)3483

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