「歌手1年、総理2年の使い捨て」というのは竹下登元首相の言葉である。ヒット曲のはやり廃りが激しい歌謡界と首相の首すげ替えが続いた政界をかけている。さて、離合集散を繰り返す新党の賞味期限はどの程度だろうか

政治改革がクローズアップされた1990年代初頭から多くの政党が生まれては消えていった。指を折りながら、党名を挙げても切りがない

▼二大政党制に対抗する第3極を目指していた日本維新の会の分党が決まった。橋下徹、石原慎太郎両共同代表の28日の会談は約20分間。石原氏が「たもとを分かっていこう」。「分かりました」と応じた橋下氏。あっけない幕切れだ

▼2012年11月の合流時から予想されていた。政治理念や基本政策の一致を置き去りに、選挙目当ての「野合」というのがあからさまだったからだ。結局は「結いの党」との合流の考えの違いが決定打になった

▼「総理1年の使い捨て」がしばらく続いたが、安倍晋三首相が再登板。衆参の圧倒的多数と高支持率に支えられ、主導権を握る。国政は1強多弱の時代になっている

▼第3極は自民、民主の二大政党への有権者の不満の受け皿となり、勢力を拡大した。みんなの党に続き、維新の会が分裂。その迷走は政治不信を増大させている。民主主義にとって、健全な野党が欠かせない。(与那原良彦)