プロバスケットボールbjリーグの王者決定戦を先週、東京で取材した。琉球ゴールデンキングスと秋田ノーザンハピネッツの決勝はまれに見る好ゲームだった
▼リーグ最少失点を誇るキングスの防御力と最多得点の秋田の攻撃力のぶつかり合いが予想された。キングスは高得点の勝負になれば不利と思われたが、今季初の100点ゲームで快勝し、強さを示した
▼バスケ熱が高い地域の人気チーム同士の対戦。会場は過去最多の1万人の観客で埋まった。NBAへの挑戦を表明した秋田の富樫勇樹選手はスピードと得点能力が驚異的だった。触発されるかのようにキングスの並里成選手や岸本隆一選手も好プレーを連発し、記憶に残る名勝負となった
▼今季のキングスは年間観客動員が10万人を突破した。国内バスケでは初の快挙だ。地域に根差すスポーツエンターテインメントの優れたビジネスモデルといえる
▼5月の地元最終戦では試合終了時コートに立っている5人を全員、県出身の選手でそろえた。ウチナーンチュの伊佐勉ヘッドコーチが沖縄への愛着を表現した場面。会場はどよめき、粋な計らいをたたえる指笛が鳴り響いた
▼オール沖縄で盛り上がれる場が少なくなる中、キングスの試合会場では甲子園の高校野球にも匹敵する一体感が味わえる。来季も人気は続きそうだ。(田嶋正雄)