厚生労働省は、児童相談所(児相)が在宅指導している3万7806人のうち、144人を一時保護、26人を児童養護施設に入所させるなど計170人を親と引き離す措置を取ったことを公表した。
 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さんが死亡した事件を受けて実施した緊急安全確認調査の結果である。
 170人は児相の在宅指導を受けていた。「子どもを危険から守る」ことを最優先にしなければならないが、見守りをするだけで、事実上積極的に関与していなかった可能性がないのか。
 虐待を巡り、家庭の状況は刻々と変わるだろう。児相は変化に丹念に目を配り、柔軟な見直しをすべきである。在宅指導の検証が必要だ。
 県内では子を親から引き離す措置を取ったケースはなかったが、気になる数字がある。所在がわからない子どもが3人いることだ。
 県青少年・子ども家庭課によると、緊急の安全確認は2月14日~3月8日に実施された。県内の中央とコザ両児相が在宅指導している子どもは計575人。期間中に面会できなかった子どもは90人で、そのうち3人は所在がわからなかった。
 調査期間中に別の自治体に引っ越したり、友人宅に泊まりに行ったりして接触ができなかった子どもを所在がわからないに分類したという。
 取り返しのつかないことになってからでは遅い。追加調査を急いで所在を突き止め、在宅指導が適切かどうか、判断しなければならない。
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 政府は「児童福祉司」の増員を前倒しで進めることを決めている。2019年度に千人程度増やす予定だ。
 ただ児童福祉司は国家資格ではなく任用資格である。社会福祉士などの資格を持っていたり、大学で心理学を学び実務経験を積んだりするなどの条件を満たせばよい。
 一人前になるには3年はかかるといわれている。
 県内には中央(管轄21市町村)とコザ(同20市町村)の二つの児相がある。
 県によると、児童福祉司は2児相に計49人が配置され、1人当たり43・7件の案件を抱えているという。
 宮古分室と八重山分室があるが、広範囲で圧倒的な人材不足である。事案ごとに内容も異なり、多忙を極め、体制強化は不可欠である。
 中核市では児相の設置ができる。那覇市で設置されれば、現在の児相の負担の振り分けにつながるはずである。
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 文部科学省も2月1~14日に一度も登校していない児童生徒らの安全確認をした。
 県教育庁は、国公私立の幼稚園や小中学校などを対象に教員らが面会して実施した。
 対象は長期欠席の1317人。1084人は面会でき、233人はできなかった。面会できたうちの79人、面会できなかったうちの153人を虐待の可能性が否定できないとして児相や警察などと情報共有した。虐待の懸念を積極的に捉えた結果という。
 教員が家庭訪問を続け、安否確認をする。子どもの安全を第一に関係機関と連携を密に取り組んでもらいたい。